ざいにち発コリアン社会
個性生かしてネットワークを/同世代の友だちづくり
朝青埼玉「Final Party」
「楽−マダン」のライブ。全10曲を披露 | 終盤、盛り上がりは最高潮に達した |
17日、関東エリアに住む同胞青年100余人が、ライブハウス「HEARTS」(埼玉・さいたま市)に集まった。若い世代のネットワークを広げようと、埼玉県下の各朝銀支店で働く朝青員らが「Final
Party(ファイナルパーティー)」を企画したのだ。会場は、コリアンバンドのライブにのって思いっきり騒ぐ若者たちの熱気と興奮に包まれた。
バンドライブ 開始時間の午後6時、パーティー会場は埼玉、東京、神奈川、千葉、茨城、群馬、栃木の関東各地からやって来た100余人の同胞青年らの熱気に包まれた。 メインは、同胞青年バンド「楽(アク)―マダン」のライブ。朝銀関東・川口支店に勤務する黄英鎬さん(ベース、29)をリーダーに、北関東朝鮮歌舞団の尹漢信さん(ボーカル・ギター、36)、神奈川県在住の張英治さん(ドラム、31)、ピアノ講師の李幸美さん(キーボード、30)の4人メンバーで、埼玉を拠点に活動している。 「朝鮮人の魂を込めて曲をつくり、朝鮮語で、朝鮮人の前で歌い、演奏すること」がモットーだ。この日も、統一をテーマにした歌や在日同胞1世が故郷にはせる思いをつづった歌、朝鮮の民謡をロック調にアレンジした曲が軽妙なMC(トーク)を交えながら次々と披露された。 北関東朝鮮歌舞団の女性ボーカリストもゲスト出演。最初は静かに聞き入っていた参加者たちだったが、体全体が震えるほどの激しいサウンドとアップテンポなリズムにのせられて、自然に体が動き出していた。 朝銀とKYN 今回のイベントを主催した「4SEASONS(フォーシーズンズ=四季)」は昨年4月、埼玉県下の各朝銀支店に勤務する若者らが結成したイベント企画団体。地域の活性化を図るため、同胞青年らが楽しく集える場を1シーズンごとに提供するのが目的だ。 とはいえ、財政問題などがネックになり、実際は昨春以来、今回がようやく2度目の開催となった。 今回のイベントを企画したのは1月。以来、朝青埼玉県本部が運営する埼玉KYN(コリアンユースネットワーク)とタイアップして準備を進めてきた。 4SEASONSは関東の全朝銀にパーティーの開催を知らせ、埼玉KYNはホームページ上で宣伝し、各KYNに案内状を郵送。各朝銀の朝青職員と各朝青本部職員がそれぞれの地域で参加を呼びかけた。 イベント費用の大半は県下同胞らのカンパで賄い、マウンテンバイクやCDコンポ、腕時計や映画チケットなどゲームや抽選会の賞品の数々も同胞に寄付してもらった。 「Final Party(最後のパーティー)」と名づけたのは、「同胞の友だちがいないから」とカラに閉じこもってばかりいる自分にサヨナラして、ここでの出会いをきっかけに、コリアンとして新たな一歩を踏み出そう、というメッセージを込めたかったからだ。 出会いから友だちに 地域での誘いに応じた参加者のほとんどが、「同世代のコリアンの友だちがたくさんできること」を期待してやって来た。 今まで朝青支部と関わったり、同胞と知り合う機会があまりなかった群馬県在住の朴泰真さん(29)は、勤務先の焼肉店から休みをもらい参加した。初めての欠勤だが、イベントを知らされたとき、「こういうチャンスは大事にしなければ」と思ったという。 千葉県から来た李安淑さん(22)は「こんな形で朝青が集う場に参加するのは初めてだけど、とてもにぎやかで楽しい。これからももっと新しいスタイルで、たくさんの同胞青年と知り合える機会をつくってほしい」と語っていた。 4SEASONSのキャップ、宋泰栄さん(朝銀関東・埼玉支店、26)は、「今日はあくまでもきっかけづくり。ここでの出会いが友情へと発展してくれたら、主催者みょう利につきる」と期待を込める。 「今回はバンドを起用したが、今後も同胞青年らの個性を生かしながら、よりキャパシティーを広げ、斬新なアイデアで在日同胞青年らのネットワークを広げていきたい」と語っていた。(李賢順記者) |