新世紀へ−民族教育を歩く

メリットを活かす


 学級編成基準。1学級あたり人数の上限あるいは標準を定めたものだ。日本では長らくこれを40人としてきたが、近年よりきめ細かな教育を実現する観点から弾力化が進んでいる。欧米では1学級20〜30人が主流で、今後10人台に縮小する動きもある。少人数学級は「全員に目が行き届く」、「1人の子どもが発言する回数も増える」など学習効果を考えれば利点が多い。朝鮮学校は、このような基準に照らせばほとんどが少人数学級、小規模校で、きめ細かな指導にはうってつけだ。

 しかし、少なすぎるとどうなのか。果たして子どもの社会性は育つのか?という父母らの声も一部で聞かれる。小規模校における教育体系(低学年)の研究に、5年前から学校をあげて取り組んできた滋賀初中では、このようにネガティブな発想そのものに疑問を呈す。

 「少人数の場合、まず国語や算数など通常科目の授業なら、ひとりひとりの理解度に合わせ進めることが可能です。音楽や体育、図工では異年齢混合の授業を組み合わせることで効果を高められるし、琵琶湖探検などの課外活動もたてわりのグループ編成で協調性や自立心が育つよう心がけています。同じ小規模校の舞鶴、北陸初中の子どもたちと合同で、毎年体験学習もします。日本学校と交流して友達を増やすことだってできます。そもそも社会性を身に付ける上で重要な『遊び』も、従来は4、5人でしたもの。そんなに大勢ではしませんよね」(金隆泰教員)

 メリットをどう活かすか。それが鍵だ。(姜和石記者)

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