第4次総聯同胞故郷訪問団、半世紀の空白埋める

信念守りよかった、深まる総聯理解、容易になった接触


 第4次総聯同胞故郷訪問団が6月22〜27日、5泊6日の日程で南朝鮮の故郷を訪問した。訪問団事業は、6.15北南共同宣言を履行するための北南閣僚級会談で決定され、昨年9月から始まった。共同宣言発表から1周年を迎え実現した今回の訪問団事業は、「共同宣言を履行する過程が統一を成し遂げられる道であることを改めて示す」(団長の孫晋N・朝鮮通信社社長)ものとなった。(社会欄に関連記事)

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 5〜60年ぶりに故郷を訪れ、家族との再会を果たした訪問団メンバーたち。半世紀以上にわたる空白を埋めようと、思い思いに行動した。かつての記憶を頼りに魚市場などを訪れたり、故郷で栽培されたサンチュの種を持ち帰ってきた同胞もいた。

 7歳の時に日本に渡って以来、65年ぶりに故郷の忠清南道を訪れた総聯愛知・豊橋支部の姜信倍顧問は、「かつて通った学校内に今でも残る木に登ってみて、故郷に来ているという実感がわいた」という。同時に、「これまで金日成主席と金正日総書記、総聯組織を信じて愛国の信念、民族的良心を守ってきたことが正しかったと思った。65年という月日は長かったが、いざ故郷に来てみると、来るまでの不安が喜びに変わっていった」と感慨深げに語った。

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 今回の訪問団事業は、家族、同じ民族が会えば、それがすなわち 統一であることを示すものとなった。

 それはとくに、総聯活動に携わっていることで周囲から差別を受けてきた南の肉親たちも訪問団メンバーを温かく迎え入れたこと、トンネの人々から祝福を受けたことなどにはっきり表れている。故郷に住む人の中には、名前を明かすのを避ける人もいたが、そういった人たちでも、民族教育を通じて子どもたちに民族の文字と言葉を教えていることなど、総聯がやっていることに理解を示す人が多かった。

 また滞在先のホテルでは、記者の胸につけられた「総聯同胞故郷訪問団」の名札を見た50代の男性宿泊客が、「いつきたのか」「家族が1つになることは素晴らしいことだ」「早く統一されることを願う」などと声をかけてくる場面もあった。

 つまり、外部勢力によって分断の悲劇を強いられた同じ民族が自らの力で再会を果たし、一つになること自体が 統一であろう。

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 訪問団の中には、すでに日本で南の肉親と再会していたメンバーもいた。しかし南の肉親が日本で総聯系の同胞と会うことは、総聯を「反国家団体」と規定した「国家保安法」によって禁じられている。南北交流協力に関する基本方針(89年)、南北交流協力に関する法律(90年)の施行後、緩和はされたものの、接触後の結果報告は義務づけられている。しかし、総聯同胞故郷訪問団が堂々と故郷を訪れ、家族や親族との再会を果たすことによって接触は容易になり、統一の道もさらに近く、幅広いものになった。

 こうしてみると、親族が再会してその絆を確認し深めることは、民族が団結する道、すなわち共同宣言を履行する過程になるのだということを改めて取材を通じて実感した。(羅基哲記者)

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