私たちのうた

朴載崙


乾いた言葉

 私たちの言葉は不毛だ
 風のように乾いた言葉は
 意味を生みだすことができない
 ―私の言葉は意味を生まない

 私たちの言葉には形がない
 風のように形のない言葉は
 脚韻を持っていない
 ―私の言葉は脚韻を持たない

 乾いた言葉は
 この口に自信を与えない
 脚韻のない言葉は
 この声に歌をくれない
 ―私の口は自信がなく
 ―私の声は歌を知らない

 私たちの言葉は風のようなものだ
 風のよう響きだけが残り
 風のよう音だけが残る

 ―私の言葉は告白を知らず
 ―私の言葉は祈りを知らない

 私たちの言葉は風のようなものだ
 風のよう葦原を鳴らし
 風のよう荒野を駈ける

 私には「あなた」を呼ぶ言葉がない
(「韓国詩選」より)

 パク・チェリュン 1910年 忠清北道・忠州生まれ。詩集に「箱の中の王子」ほか。(訳・姜和石)

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