旧日本軍軍務で発病

　報道によると、朝鮮の植民地時代、旧日本海軍軍人としてボルネオなどに従軍し、軍務中にハンセン病を発病した同胞男性（77）が、今年４月に施行された在日外国人元軍人・軍属への弔慰金支給法に基づき、一時金支給を申請する準備を始めたことが最近、分かった。ハンセン病元患者が請求するのは初のケース。

　この男性は軍務中にハンセン病を発症し、海軍病院から国立療養所、星塚敬愛園（鹿児島県）に一時入所。その後、現在入所中の菊池恵楓園（熊本県）に移された。軍務によりハンセン病になった日本人の元患者は恩給などを受給できるが、解放後、外国人となった同胞の元軍人・軍属は対象から外された。

　弔慰金支給法は、国籍を理由に恩給、障害年金を受給できない旧日本軍人・軍属の戦傷病者や遺族に一時金を支給することを規定。戦傷病者に対しては４００万円、遺族らには２６０万円の一時金が支給されるが、日本人との格差が大きいことから批判が多い。