同胞の店

焼肉・バンバン
(千葉県船橋市)

肉に負けない絶品ノリ料理/「朝鮮家庭の味」再現


 金正虎さん(53)、李京淑さん(50)夫妻が7年前にオープンした、千葉県船橋市の「焼肉レスト  バンバン」。平日、週末を問わず、多くの同胞や日本人が訪れる。

 船橋は「市場が近くて食材が手に入りやすく、飲食業を営むには好条件がそろっている」(金さん)土地柄。甘味のある脂身が特徴の但馬牛を使った肉類がメインだが、とくに名産品の海苔には、人一倍のこだわりを見せる。

 その海苔を使った人気メニューが「ノリのムンチュ(佃煮)」。地元産の岩海苔を、辛口のヤンニョムジャン(朝鮮風醤油ダレ)で和えた、磯の香り漂う一品だ。

 もう一つ、地元の人たちに絶大な人気を誇るのが「ナットジャン」。地元の同胞業者が卸す納豆に大根を加え、キムチと、金さんのオモニ手作りのコチュジャン(赤唐辛子味噌)で和えた。コチュジャンの刺激的な辛味と相まって、ご飯が進む絶品だ。

 金さんは「家庭の味」を強調する。「1世が懐かしんでくれるような、朝鮮の本場の味を手軽に味わってほしい」というこだわりが見える。金さん自ら摘んだ山菜を季節品として出したり、テイクアウトのサービスを始めたのも、そのためだ。

 地元の朝青サークルが打ち上げに使うことも多いという同店。先日、「娘の結婚が決まったので、ぜひ当店でお祝いをしたい」という同胞がいたそうで、「同胞社会のつながりの深さを感じた。本当に嬉しかったですね」と、金さんは顔をほころばせた。(根)

 おすすめメニュー  カルビ(700円)、ネギタン(1000円)、ノリのムンチュ(500円)、ナットジャン(500円)、カオリフェ(エイの刺身、800円)

 営業時間  午後5時〜12時。火曜休。船橋市宮本1丁目。TEL  047・424・2526。

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