本社記者平壌レポート
干ばつ、洪水対策を万全に
春には気象観測以来の大干ばつ、夏には集中豪雨が予想されるなど、今年も異常気象による被害が憂慮される中、各地の農村では自然災害による被害を最小限に食い止め、収穫高を少しでも上げるための様々な対策が講じられている。
「ここで60年暮らしてきたが、こんな干ばつははじめて。私より年上の老人たちもみな同じことを言う」と話すのは、万景台農場農産第二作業班のキム・ミョンブさん(60)。 平壌市の西側に位置する万景台農場は、スンファ江をはさんでいることもあり、水利がとてもよい。かんがい設備も完備され、他の農場に比べても干ばつに十分対応できる。 「それでも被害は少なくありませんでした。雨が降らないのに加えて強風が吹くので、気温は急上昇し土が干上がってしまいました。スプリンクラーだけではどうにもならず、作業班総出でバケツを手に水まきをしました」(キム・ミョンブさん) ここの農場では干ばつのため、稲以外の作物は大きな被害を受けているという。六月中旬から雨が降り出し、万景台農場では新たに種まきを始めた。アン・ドゥミョン技師長(54)は「気象条件が悪いからといって、自分の仕事を投げ出すわけにはいきません。収穫高を最大限に引き上げるために、穀物が枯れてしまった地にまた種をまき、あまった区画や脱穀場の周りにも小豆などの豆類を植えました」と話す。 その一方で集中豪雨対策も着々と進めている。農場では「洪水被害対策委員会」を立ち上げ、非常時には数十人の作業員たちを動員できる万全の体制を整えたという。 土まみれになりながら作業するリ・チャンギル技術部員(31)は「今年の農業は悪条件が重なったけど、作業員たちは気落ちしていない」と言いながら、「私たちの農場では力のある限り一生懸命働こうという雰囲気がいつになく高まっている」と続けた。 万景台農場に限らず、朝鮮では洪水被害を最小限に食い止めるため、農業、建設、電力工業など人民経済の各分野で様々な対策を練っている。河川の整理事業をはじめ橋、下水道、貯水池の整理なども精力的に行われている。【平壌発=姜イルク記者】 |