医療−最前線

定数管理


 昨今の病院経営は厳しいものがある。本来病院は経済不況には関係ないと言われたが、倒産するところも出てきているのが、現状である。

 病院経営において材料費には医薬品費、医療材料費、給食材料費などが含まれる。なお、病院経営で材料費は人件費に続いて高いので、これを削減する事は病院経営改善に大きく貢献する事になる。

 私が勤務する病院では医療材料費の削減を目的に2年まえから全病棟の定数管理を実施した。

 定数管理にもいろいろな方法があるが、基本は伝票で行われていた医療材料の請求を現場で使用頻度の高い医療材料をリスト化、定数化し、補充することを言う。

 今までは現場の看護婦、補助看などが伝票に必要物品を書いて請求していたが、それは経験と勘に基づく事が多くムダも多かった。つまり伝票による資材請求は過剰在庫、不良在庫を招きコスト拡大と在庫管理に多大な問題を提起していた。

 しかし、定数管理も容易ではなかった。コスト削減とはいえ、現場の抵抗は厳しく簡単ではなかった。現場の感覚からすれば患者の処置において物品が足りなかったら大変だからだ。また、今まで自分たちで行ってきた在庫管理を用度課に全面的に移行するために、心情的な抵抗感もあったようだ。

 あれから2年、定数管理も軌道に乗った。現場のスタッフも物品管理を用度課の職員に任せることに慣れ、コストも全病棟で約30%削減できた。
(李秀一・医療従事者)

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