健康豆知識

思わぬ食品に中毒あり(ジャガイモ)


 ジャガイモは、アルカリ食品で少量だが良質のタンパク質を含有し、ビタミンB1、Cが比較的多い食材だ。しかし、ソラニンという苦みのある有毒成分を含み、これを多量に摂取すると中毒をひきおこす。ソラニンは芽の部分に特に多く(次いで外皮に)含有されている。

 日本中毒情報センターに寄せられる年間3〜4万件の中毒(感染症を除く)情報のうち、年により差はあるが、ジャガイモに関するものは毎年30〜40件あった。

 99年6月、福岡市内の日本の小学校で理科の教材として栽培したジャガイモをゆでて食べ、生徒19人が吐き気や頭痛におそわれたという事件があった。同市内の他の学校でも教材用にジャガイモを栽培していたが、食中毒を起こした学校のものは、毒性物質の濃度が突出して高く、100グラム以上の大きさのものが育っていなかったことから、栽培・生育条件に何らかの問題があったと考えられた。2000年度中毒速報(厚生労働省)にも、7月に広島県、神奈川県の学校でジャガイモによりそれぞれ20人の患者がでたとの情報がある。

ワンポイントアドバイス

 家庭では以下の点について気を付けよう。

 ・家庭菜園で作ったジャガイモは苦みを感じたら食べない。

 ・芽がでたものは、その部位を完全に取り除き、皮もむくようにする。

 ・外皮が緑化したり、さらに褐色化したものは、食べない。

 なお、ソラニンは水溶性なのでゆでることで減少するが、多量に含まれていた場合は中毒を起こす量がまだ残っていることがあるので注意しよう。(東京くらしねっと6月号参照)

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