春・夏・秋・冬

 暑い! 先日東京では35.6度を記録した。人間の体温なみだが、気温の上昇は何も日本に限ったことではない

▼米国を18の地域に割ってそれぞれの気温変化を追っている「米国地球変動研究計画」によると、アラスカでは(1997年より)過去30年間、10年ごとに1度ずつ気温が上昇しているという。シベリア各地で、絶滅したマンモスの牙が以前に比べて容易に発見されているのも、永久凍土が溶け始めたからだ。(石弘之著「地球環境報告U」参照)

▼ジェノバ・サミットでは地球温暖化阻止が重要な議題に上った。先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づける京都議定書からの離脱を米国が表明。米国を議定書に戻せるか否かが焦点だった。だが、「米国の経済を損ねる条約は、受け入れを拒否する」と、ブッシュ政権は国益を優先。これに真っ向から反対するフランスの強力な主張で、G8首脳宣言には京都議定書問題で「意見の不一致がある」ことが明記された。ドイツ・ボンで同時並行に開催されたCOP6再開会合も、米抜きの議定書批准を視野に進められるなど、米国の孤立は著しい

▼今回、サミット会場周辺では反グローバル化を唱える大規模な市民デモが行われた。経済のグローバル化が地球環境の悪化や世界の貧富の差を広げていると、彼らは主張する

▼経済グローバル化は、米国の主導下で進められているもの。朝鮮では早くから「世界経済をまるごと支配下におくため」(97年の労働新聞・「勤労者」共同論説)と、その危険な目的について指摘している。(聖)

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