6.15共同宣言が後押し

北南交流の架け橋に


―在日と南朝鮮の被爆者団体が交流した意義は。

 日本政府の謝罪と補償を勝ち取るためには、思想、信条を乗り越え、南北が団結した力を発揮することが大切だ。連帯する必要性、意義を確認したことが最大の成果だ。6.15共同宣言がこうした協力を後押ししている。被爆者問題の解決に向け、民族同士手を取り合わねばならない。被爆者は高齢だ。残された時間は少ない。

―南の被爆者とも会われたそうだが。

 被爆者が多く住むことから「南朝鮮の広島」と呼ばれる慶尚南道・陜川郡を訪れ、被害者、関係者と対面した。入院中の被爆者は高齢だったが、皆が私の手を握っては「よく来た」と喜んでくれた。患者たちは、日本が朝鮮を植民地にしなければ、こんな苦労をすることはなかった、日本政府の謝罪の言葉を聞くまでは死ぬに死に切れない、と話していた。

 今まで出会った北の被爆者も同じことを言っていたが、被害者たちは、日本政府が謝罪していないことに憤っているのだ。

―今後の活動について。

 共同声明では、すべての同胞被爆者の要求を反映した解決案を作成し、日本政府の謝罪と補償を促していくことを確認した。来月広島で開かれる原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などの会議に南から代表が参加するので、その際、声明実行に関する具体的な話し合いを行う。

 また、10月には平壌で第3回「反核平和のための世界医師会議」が開かれる。平壌で開かれるのは初めてのことだ。この場で北南の被爆者団体の交流も実現させたい。

 今後も、北と南をつなぐ架け橋としての役割を果たしていきたい。

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