今年もやってきたサマースクールの季節
本名、ルーツ、民族性テーマに
1日から全国13ヵ所で
夏真っ盛り。日本の中学、高校に通う同胞生徒(日校生)たちにとっての最大イベント「サマースクール」の季節がやって来た。今年は北海道の札幌地区を皮切りに(1日)、29日まで全国13ヵ所で随時開催される。バーベキュー、キャンプファイヤー、フォークダンス、料理バトルやスポーツ大会など多彩なイベントを通じて日校生同士はもちろん、同じ地域に暮らす朝高生らとの交流も深める。21世紀という新しい時代を迎え、3、4世の同胞青年たちはどう生きていくべきかをともに考えるよい機会だ。各地の日程と内容を紹介する。
各地サマースクールの共通するテーマは「本名宣言」「ルーツ」「民族性」の3つ。まず、今回初めて単独開催する神奈川(3、4日)、中・四国(7〜9日)、京都・滋賀(9、10日)では、「本名宣言」がキーワードとなる一人芝居「キム(金)」を披露する。 演じるのは、大阪朝高卒業後、演劇を通して若い世代に民族性を与えたいと活動する田琴室さん(22)。関東大震災時の朝鮮人虐殺、朝鮮侵略時の「従軍慰安婦」の証言などを題材に、日本で本名を名乗って生きていくことの意味、大切さをアピールする。 本名で堂々と日本や世界で活躍する同胞青年たちのビデオメッセージを企画した地域もある。 大阪・奈良・和歌山(7〜9日)は、「未来開拓の場」と題したイベントを企画する。大阪から羽ばたいたプロボクシングWBC世界スーパーフライ級チャンピオンの洪昌守選手(26)と、同じくファッションデザイナーの韓安順さん(24)らのビデオメッセージを準備。 埼玉・西東京・北関東(9〜11日)では、より身近な存在である地域の学生会OB、留学同盟員、朝高生らのビデオメッセージを鑑賞する。 中・四国では、司法書士を目指し目下猛勉強中の、留学同京都OB朴賢憲さん(23、佛教大学卒)が、中学1年の時に初めてサマースクールに参加したことに始まり、大学在学中に「本名宣言」したときの葛藤や決心など、後輩たちを前に自らの体験を語る。 山口・九州(21、22日)では、現在福岡朝鮮初中級学校教員の崔炳智さん(24)が、サマースクールに参加したのを機に民族について自覚したこと、朝鮮大学校で初めて民族教育を受け、今では朝鮮学校の教壇に立つようになった自らの経験談を披露する。 東京(6〜8日)では、奥多摩の小河内ダム工事慰霊碑を参観し、強制連行された同胞の歴史を学ぶ。 慰霊碑には、工事に動員され強制労働を強いられて犠牲になった6人(実際はもっと多いと推測されている)の朝鮮人の名が刻まれている。 京都・滋賀では、在日同胞の歴史を綴ったビデオを制作・編集した。 千葉(11日)は千葉朝鮮初中級学校で開催する。ウリマル(朝鮮語)教室、テコンドー、朝鮮料理作りなどを体験する「民俗体験コーナー」を設け、同校の児童・生徒たちとの交流会も企画。「民族を直に感じる」のが目的だ。 ◇ ◇ 一方、地元の朝鮮歌舞団公演や、ディスカッション、レクリエーションなども行われる。 東海(7、8日)は、「ここが変だよ! 在日コリアン」と題してのディスカッション、兵庫(28、29日)はキャンプファイヤー、スポーツ大会、カレーづくりなどを企画。札幌(1日)、函館(4日)、稚内(7日)の3地区に分散して開催する北海道はいずれも海水浴で、短い夏を思う存分満喫する。また、神奈川は津久井川でのニジマスつかみ、東京はハイキング等々、イベントは盛りだくさんだ。 サマースクールの日程
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