神奈川県同胞飲食業者協議会

店内見学、特別講義、共同で「焼肉祭」開催中


 同胞飲食業経営者同士の地域に根づいたネットワークの基盤を固めつつ、不況を乗り切る策を共同で生み出していこうという趣旨で近年、同胞飲食業者らによるセミナーや交流会などが各地で行われている。

 200余人の同胞焼肉店経営者(商工会会員)が居住する神奈川県でも、同県商工会主催で4月11日に同胞飲食業者協議会第1回会合を開いて以来、月に一度行ってきた。

 特徴は、参加者の各店舗(焼肉)で会合を行っていることだ。会合後はその店で食事会を開き、研究も兼ねて皆で料理の味やメニュー、サービスについての意見交換をするほか、店内を見学しながら設備や内装などをチェック。指摘に遠慮はなく、各自が思ったことを率直に述べる。

 毎回、20〜40代の経営者をはじめ、県商工会、会合店の社長や店主が在住する地域の商工会、商工連役員らも参加している。

 また毎回、繁盛店の経営者、フードコンサルタント、商工連の焼肉協議会メンバーなどの特別ゲストを招いて講義を受けている。

 第1回目は、商工連・商工部の李宗和指導員が「2001年外食産業と朝鮮料理業界の動向と経営課題について」、第3回目(6月13日)は、(有)みらくてい・代表取締役の金奉讃氏が「在日同胞の焼肉店経営の現状と変わっていく焼肉店経営について」、第4回目(7月9日)は、神奈川県商工会の呉載世理事長が「在日同胞の焼肉店経営における取り組み方について」と題して行った。

 なかでも好評だったのは、金奉讃氏の話。金氏は現在、茨城県内にレストラン風の焼肉店を3店舗構えている。講義では、日本人が経営する焼肉店(チェーン店)と同胞が経営する焼肉店の相違点、今後の同胞焼肉店のあり方などが語られた。9月17日に開催予定の第5回会合では、(株)トラジの金信彦社長を招く予定だ。

 講師が承諾すればビデオ撮影し、会合に参加していない経営者に配布する。

 ほかに、廃液の処理法、顧客管理に便利なポイントカードシステムについての説明会なども企画した。

 これまで出席者らの間では、県商工会のホームページ(http://www.k-shoukoukai.gr.jp/)を利用した広告宣伝、共通クーポン券とスクラッチカードの共同発注、繁華街、駅前、住宅街で経営する店舗形態別同業者間の交流会開催など様々な案が生まれ、検討されてきた。

 その過程で実行が決定されたのが「焼肉祭」の開催。29日の「肉の日」にちなんで1〜29日に行われている県下同胞焼肉店の共同イベントだ。

 期間中、参加店に来店した人の中から抽選で各種賞が当たるというもので、ポスター、チラシ、応募券、クーポン券は商工会が制作し、各店舗に配布した。

 同協議会事務局を担当する県商工会の文賢二副部長(34)は、「会合参加者らの中には、20代の若い経営者もいる。今後も2世 
だけでなく、3世の若い同胞経営者らをより幅広く網羅していきたい」と語った。

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