同胞の店

焼肉  興海
(山形県山形市)

「ご飯メニュー」が充実/「名古屋の味」東北で定着


 JR山形駅から車で約10分。「焼肉店経営は天職」と語る金利道さん(33)が3年前にオープンした「焼肉  興海」は、週末には家族連れや常連客でごったがえす。地元の同胞もよく訪れる。

 愛知朝高を卒業後、調理師免許を取得した金さん。「中部地方の甘辛い味つけが体にしみついてきた。東北地方独特の塩辛さに慣れた地元の人たちの舌をどう満足させるか、味つけに苦労しました」。

 そこで金さんは、あえて出身地・名古屋の味を生かした。人気メニューの「どて煮」はホルモンを味噌で煮込んだ「名古屋名物」の一品。地元客は当初は戸惑ったようだが、「徐々に受け入れられました」。

 金さんのこだわりは「ご飯もの」の充実ぶりにある。肉の素材や味、メニューは研究し尽くされた感があるため、店の売りとして「ご飯もの」のバリエーションを豊富にしたところ、客に好評だった。「車で来る客が多く、酒類があまり出ないことが奏効したようです」(金さん)。

 週代わりの「本日の朝鮮料理」では、ピリ辛風味のキムチチャーハン「カジョンパプ」(家庭ご飯)や、「冷やしクッパ」など、暑い夏を乗り切るメニューが満載だ。

 大の野球好きの金さん。店内には大ファンという中日ドラゴンズをはじめ、プロ野球選手のサインやユニフォームなど「お宝グッズ」が張り巡らされている。地元テレビ局の取材も受けたほど。これも店の強烈な「個性」として受け入れられたようだ。(根)

 「朝鮮新報を見た」で生ビール1杯サービス。

 おすすめメニュー  カジョンパプ(600円)、冷やしクッパ(550円)、どて煮(300円)

 営業時間  午後5時〜11時、月曜休。山形市大野目2―5―38。TEL  023・631・8199。

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