インターハイ・ボクシング
初の快挙、「みんなの力」
金メダルを手にした崔日領選手(右、7日の決勝戦)
75キロ級決勝で圧勝 崔日領選手(大阪朝高) 趙營基選手(東京朝高)67キロ級で惜しくも銀 1日、熊本県で今世紀最初のインターハイ(全国高等学校総合体育大会)が開催され、7日に行われたボクシング競技決勝で、大阪朝高の崔日領選手(75キロ級)が東福岡高校の阿瀬知雄司選手を4―1の判定で下し、優勝した。朝高生の決勝進出は1995年以来で、優勝は初めて。また東京朝高の趙營基選手が67キロ級決勝戦で奈良県王寺工業高校の糸川聖起選手と対戦、1―4の判定で惜しくも敗れた。 金メダルを手にした崔選手は、「僕だけの勝利じゃない。監督、部員、OB、後援会など多くの支援があった。みんなで勝ち取った金メダルです」と語った。 大阪朝高の梁学哲監督は「民族教育が生んだ勝利だ。朝高ボクシング部のインターハイ出場から8年目になるが、この時が来るのを願って選手と共に汗を流してきた。大きな意義がある」と述べていた。 サッカー 緊張、100%の力出せず 2日のサッカー競技1回戦に、広島県代表として初出場した広島朝高サッカー部は、宮崎県代表の日章学園高校と対戦。善戦したものの0―1で惜敗し、初陣を飾ることはできなかった。しかし、全国出場という経験は、正月恒例の選手権大会出場に向けた新たなステップとなった。 会場となった七城小学校グランド。試合開始2時間も前から広島、岡山の両県、山陰、四国地方から約520人の同胞学父母、学生らが観光バス13台で駆けつけたのをはじめ、九州地方と全国各地の同胞など総勢800余人が朝高応援席に陣取った。 対戦校の日章学園高校は、昨年のインターハイと正月恒例の選手権大会に出場している全国大会常連校(選手権大会ベスト16など)。 試合は日章有利の前評判に反して、広島朝高が善戦。3―5―2のシステムで望んだ朝高は前半、相手のボールをカットすると、すぐに両サイドや縦へのロングパスで反撃に転じるサッカーを展開。しかし、1点を奪われ後半へ。朝高が引き続き得意のカウンターでチャンスをつくるが、ツメの甘さがでてしまい、敵陣のゴールネットを揺らすことはできなかった。 試合には負けたものの、最後の最後まであきらめずボールにくらいついていった選手たち。貴重な経験をステップ台にして、次は選手権出場に向け大きな期待がかかる。 李昌赫選手(GK)「100%の力を出せなかったことが悔やまれる。今日の課題点は練習を通じて克服していきたい」 崔遠哲選手(DF)「セットプレーの練習をしてきたが、そこから点数を取られた。全国大会では、1つのミスが命とりになる。悔しさをバネに選手権大会出場に標準を定め猛特訓していく」 李武成選手(MF)「緊張のあまり自分の力を発揮できなかった。フィジカル面の強化ともっと走るサッカーを目指し、練習に取り組んでいきたい」 「隆明選手(FW、キャプテン)「経験の差がでた。また一から出直す」 高隆志監督「選手たちが流した涙を明日につなげたい。選手権に向け、選手各自の瞬時の判断力と技量、能力を高めていきたい」 広島朝高サッカー部後援会の呉相錫会長「全国の壁は厚かったが、本当によく頑張った。選手権を目指してOBらも一丸となって選手たちを支えていきたい」 同部OBの金福寿さん(20)「気合が入った試合で感動した。負けはしたが、最後まであきらめない後輩の姿に勇気を得た。選手権に期待したい」 |