近畿3地域の発起人、準備委員民族金融機関再生へ

年内の開業めざし活発に活動


3月5日には兵庫(上)、大阪(中)、京都(下)で記者会見がそれぞれ行われ、新信組設立が発表された
朝銀近畿の受け皿信組設立
予備審査を申請

 新しい民族金融機関設立に向け、準備を進めてきた近畿3地域の同胞商工人からなる発起人たちは9日までに認可の予備審査を近畿財務局に申請した。昨年12月に破綻した朝銀近畿信用組合の受け皿機関として、今年3月から準備してきたものだ。近畿地方の同胞商工人らは、長引く不況と日本の金融機関による融資選別が厳しさを増すなか、民族金融機関の存続が同胞の生活向上と企業活動および地域社会の発展に引き続き必要不可欠との認識に立って、新たに健全な民族金融機関を設立するために全力を注いでいる。

 新信組設立の準備は、兵庫、大阪・和歌山・奈良、そして京都・滋賀の3ブロック別に進められてきた。3地域とも発起人や準備委員をはじめ多くの同胞商工人たちの昼夜をいとわぬ努力と活動によって出資金募集のめどがたち、発起人会議で事業計画案が承認されたのを受け、予備審査を申請するに至った。当局の審査を経て正式認可を受けた後、創立総会を開き、年内の営業開始を目指す。

 京都・滋賀地域の「京滋信用組合(仮称)設立発起人会」と大阪地域の「朝和信用組合(仮称)設立発起人会」は3日、兵庫の「共和信用組合(仮称)設立発起人会」は9日に審査を申請した。

 京滋信用組合は京都市内に本店を置き、旧朝銀近畿の京都、滋賀分の預金、貸出金を継承。3年後に業務純益7億2300万円、自己資本比率7%以上を目指す。

 朝和信用組合は大阪市に本店を置き、大阪府、奈良県、和歌山県分の預金、貸出金を継承する。3年後に業務純益8億円、自己資本比率7%以上を目指す。

 共和信用組合は神戸市内に本店を置き、兵庫県分の預金、貸出金を継承。3年後に業務純益10億円、自己資本比率8%台を達成する方針。

相互扶助、地域密着の原点に
奮闘する発起人ら同胞に協力求める


 「相互扶助と地域密着の原点に戻り、健全で透明性のある新たな民族金融機関を設立する」(共和信組発起人代表の李慶鎬氏、3月の記者会見)。

 近畿地方の同胞商工人らは、「必ず作りあげるとの信念を持って」(朝和信組発起人代表の金憲二氏)、民族金融機関再生のため奮闘している。現在まで、発起人を中心に新信組の事業計画作成作業や出資金集めが行われてきたが、発起人らの呼びかけに同胞たちは惜しみない協力を寄せている。同胞を取り巻く経済状況が悪化する中、たった5ヵ月の間に予備審査申請に必要とされる出資金が集まったのはその表れだ。

 発起人らは設立発表後の1ヵ月間、朝銀近畿破綻の原因や新信組設立の理念、経営方針について各地域別に集中的に説明会を開き、理解と協力を求めてきた。

 大阪地区の場合、各種説明会を48回開き、集まった約1000人の同胞に設立の趣旨を説明するとともに同胞の意見を収集した。大阪、奈良、和歌山では趣旨に賛同した同胞商工人らを中心に16地域で「新設組合を支援する会」が結成され、出資金の募集や、準備状況を知らせる広報活動が行われている。

 大阪・城東地域の「支援する会」などは4回にわたって「支援する会だより」を発行。3号目に掲載された「私たちも新信組設立を応援します」との意見広告には、230人の同胞が名を連ねた。

 また、準備活動を幅広く推し進めるため、発起人代表との座談会を開くなど、関心を喚起してきた。兵庫や京滋地区でも各地域に準備委員会を結成。新信組設立に関する疑問、質問に答えるパンフレットを作成し、準備活動を進めている。3地域とも新信組の名称を同胞から募集しており、兵庫では700件の応募が寄せられた。3地域の発起人は今後も年内の開業に向け、全力をあげて準備に取り組んでいる。

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