みんなの健康Q&A
夏の皮膚病(中) 水虫(足白癬)
水虫は治る、粘り強く治療を
夏は水虫のシーズンです。大人の3人に1人は何らかの型の水虫に悩まされています。 Q 私は毎年夏になると趾の間がただれ足底に小さい水ぶくれができ、かゆくて困っています。最近は爪の先も白く厚くなってきました。治療しているのですが、なかなか治りません。水虫ではないのかと心配しています。水虫の原因、症状を教えていただけませんか。 A 水虫はカビの一種である白癬菌が皮膚に寄生して病変が生じます。病変部の皮膚をこすって鱗屑を顕微鏡で見ると糸状の白癬菌がみられます。水虫に似た足の皮膚病もありますが、この菌を検出することで診断ができます。水虫にはいろいろなタイプがあります。趾の間が白くふやけ皮膚がむけジクジクする趾間型、土踏まずや足の縁に小さな水ぶくれができる小水疱型、足の皮膚が厚くなりボロボロむけひび割れができる角化型、水虫が爪の中に侵入し爪が肥厚し、白くもろくなる爪白癬などがあります。また水虫が塗ったくすりにかぶれて湿疹化したり、傷から化膿菌が侵入し蜂窩織炎を起こし赤く腫れ上がったりすることもあります。 Q 予防や治療はどのようにしたらよいでしょう。 A 水虫は清潔で乾燥した場所が苦手です。まめに石鹸で洗い、乾燥させましょう。靴や靴下の通気性に気をつけましょう。水虫は梅雨から夏にかけて増殖します。シーズン前に徹底的に治しておきましょう。水虫は治りにくい病気です。症状がなくなっても治っていないことが多いのです。粘り強く治療を続けましょう。角化型や爪白癬などは塗り薬が中まで浸透しませんから、内服可能な方は専門医と相談のうえ、内服したほうが良いでしょう。 Q 爪水虫は治らないと言われますが、どうしてですか。良い治療法がありますか。 A 爪の水虫は水虫の原因となる白癬菌が爪の中にまで侵入してきて起きるものです。この白癬菌は皮膚の角層の主成分であるケラチンという物質を好んで食べます。爪はケラチンでできていますので、ほうっておくと白癬菌をすみつかせてしまうことになります。ですから、爪の水虫は自覚症状がほとんどなくても、きちんと治す必要があります。外用薬は効く成分がなかなか爪の中にまでは浸透できず、また、足の爪は生えかわるまで約1年ぐらいかかることなどから、爪の水虫は治りにくいという特徴があります。そのため、外用薬だけでなく、内服薬も使って、根気よく治療を続ける必要があります。最近では飲み薬の種類も増え、患者さんにあったお薬が選べることから、より良い治療ができるようになりました。爪の水虫は放っておいたり、きちんと治さないでおくと、足の水虫を繰り返し起こしたり、悪化させたり、また、ほかの人にうつす元となります。完全に治しておきましょう。 「爪の水虫の治療は何よりも根気 内からも治す」 Q 水虫の治療中にぬり薬にかぶれたり、傷から感染を起こし、赤く腫れ上がったりした時はどうしたらよいでしょう。 A 症状により抗生剤の内服や、またかぶれにはステロイドの外用剤の塗布をし、かぶれが治ってから水虫の治療をやり直します。重症の時は皮膚科を受診しましょう。 |