歴史のわい曲、美化は軍国主義への道
日本の右傾化を危ぶむ朝鮮の声
たとえわい曲、美化しても過去の罪を隠すことはできない
(3月15〜22日まで訪朝した「日本の戦後補償要求市民
活動家代表団」による「従軍慰安婦」被害者の聞き取り)
過去の歴史をわい曲、美化した教科書を教育現場に導入することを企図し、首相が靖国神社参拝を強行するなど、右傾化する日本の動きが詳細に伝えられるなか、朝鮮の各界各層ではこのような動きに多大な憂慮を示すとともに、21世紀に入ってもなお、国粋主義、軍国主義への道をひた走る日本当局に対する憤りを隠さない。
「厚顔無恥な日本」 「日本政府が、わい曲した新しい歴史教科書を公式に認定したというニュースがテレビや新聞を通じて流れて以来、歴史地理学部の学生のみならず他のさまざまな学部の学生らが、教員室に訪ねてくるようになりました。彼らは『どういう手続きを踏んだら、あのような教科書が検定に合格するのか』、『日本の歴史わい曲策動は、どのようにしたら食い止めることができるのか』などの質問をしにきます。学生たちはこの問題に関してとても敏感になっています」と話すのは、金亨稷師範大学のチェガル・ミョン教授(38)。 「授業にも力が入ります。授業に入る前には必ず、問題となっている歴史わい曲行為についての解説を行い、私たちの祖国をまた侵略しようという日本の企図について、しっかりと話しています」 「従軍慰安婦」および太平洋戦争被害者補償対策委員会のキム・ドクホ常任委員(75)は、「謝罪と補償はおろか、過去の侵略戦争と蛮行を美化できる厚顔無恥で常識のない国は日本しかない」と強い語調で話しながら、このような思いを抱くのは自分ひとりではないと強調する。 昨年、ピースボートで朝鮮を訪れた日本の青年たちを前に、日本に対する朝鮮の人々の憤りについて話した。しかし、「彼らは自国の歴史をあまりにも知らなかった。正直驚いた。現行の教科書でも本当の歴史をちゃんと教えていないのに、罪深い過去を否定し、わい曲する教科書を使うようになったら、日本の人がみんなおかしくなってしまう」と、顔に影を落とす。 「被害国に対する挑戦」 「日本の歴史わい曲、歴史否定策動は、昨日や今日に始まったものでもこと新しいものでもない。しかし、それが今日に至って重大な国際的事態として浮き彫りにされ、アジア諸国から極度の憤りを買っているのは、侵略と犯罪の歴史に対する隠ぺい、縮小から始まった歴史わい曲策動が、全面否定、全面わい曲、極力賞賛にまで至り、政府当局の公式認定を受けたからである」。朝鮮中央通信は7月27日の論評で、日本の歴史わい曲を厳しく非難した。 1993年8月自民党内に設置された「歴史検討委員会」が、敗戦50周年にあたる95年8月15日に「大東亜戦争総括」という本を発行し、日本のアジア侵略を「白人の支配からアジアを解放するための正義の戦争」と美化したことに触れながら、論評は日本の右翼勢力が歴史わい曲、歴史否定策動に執着し国粋主義を鼓吹するのは、高まっている国粋主義の雰囲気を巧妙に利用して将来の侵略戦争を担当し、遂行できる愚かな「忠臣」を養成できる政治的および社会的、歴史的条件を整えることと指摘した。 また論評は侵略と犯罪の歴史をわい曲、美化するもう1つの目的は、日本が『正義の偉業』を遂行してきたので反倫理的な罪に対する罪悪感も、国家的賠償も必要ないという意識を国民の間に植え付けることであると続けた。 一方、9日付の労働新聞は日本当局者の靖国参拝と関連した論評で次のように指摘した。 「日本当局者が東条に『心からの敬意』を表するとしたのは、『大東亜共栄圏』の野望を実現するため殺りくと破壊を働いた者の思想と行動に共感し、崇拝していることを示している。日本当局者のこうした行動は、日帝の侵略と植民地支配により計り知れない不幸と苦痛、災難に見舞われたアジア人民に対する冒とくであり、戦争の被害を受けた国に対する挑戦である」 「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書は、目標採択率10%は大きく下回る見込みではあるが、東京や愛媛の一部では採択された。また、8月15日の靖国参拝を企図していた首相は、アジア諸国の反対と抗議を押し切って13日に参拝を敢行した。 新世紀になっても、日本は過去の清算どころか時代を逆行している。 |