本社記者平壌レポート

犬の散歩道・大同江


 ペットとして犬を飼う平壌市民が増えている。

 「うちの動物園で仔犬が生まれたというニュースが流れると、市民から予約注文の電話が殺到します。電話があまりにも多いので、自分の仕事に手がつかないくらいですよ。昨年の6.15の時、金正日総書記に金大中大統領夫妻が珍島犬をプレゼントして以来、市民の間でペット用犬への関心と人気が高まっているようです」(平壌中央動物園チョン・スンギル技術課長)

 平壌中央動物園では現在、豊山犬、珍島犬、シェパード、シベリアンハスキーなど41種200匹あまりの犬を飼育している。また市内には、犬の予防ワクチン注射や治療を施す施設が9つの区域に設置され、新聞や雑誌でも案内広告や犬の飼育で注意すべき点などを紹介している。

 「苦難の行軍」の勝利を宣言した昨年の10月以降、犬を連れて散歩する市民が増えた。朝方の大同江遊歩道は、犬の散歩に来た市民たちでにぎわう。日曜日の朝5時から6時まで、大同橋の下のスペースは犬たちの憩いの場、「お見合い」の場となる。まるで約束でもしてあったかのように、数10人の市民たちが犬を連れて次から次へと集まってくる。

 子どもと一緒に犬の散歩に来た中区域に住むキム・ソンイルさん(43)は、「今年の初めに友人から仔犬をもらって育てているんですが、朝の日課がすっかり変わりました。私よりも子どものほうがむしろ喜んでいるのを見ると、情緒を育むうえでもいいでしょう」と話す。「犬の名前は統一への思いも込めて『春』とつけました」とキムさんは付け加えた。

 平壌中央動物園の犬を展示するコーナーでは現在、金正日総書記に金大中大統領夫妻がプレゼントした珍島犬の「平和」と「統一」がすくすくと育っている。

 「7月の24日に種付けをしたので、9月末には仔犬が生まれるでしょう。何匹の仔犬が生まれるかというのが、職員たちの間でもよく話題にのぼります。生まれた仔犬たちにはどんな名前をつけましょうか?  やっぱり、祖国の統一を象徴するような名前がいいでしょう」と、チョン・スンギル課長は微笑んだ。【平壌発=姜イルク記者】

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