閑話休題

学生対談から

思索、苦悩する姿


 「21歳学生対談」(8月13日付)を通じて、留学同渋世支部委員長鄭栄桓さんと元埼玉県立所沢高校生徒会長淡路智典さんに出会った。

 97年、所沢高校に着任した校長が学生の意に反し「日の丸・君が代」を行う卒業式、入学式を強行しようとした。学生らはこれに反対し、学生自らの手で卒業生を送る会、入学を祝う会を実現させた。淡路智典さんは当時の生徒会長である。

 どんな青年だろうと思っていたら、線の細い優しそうな大学生が現れたので、少し拍子ぬけした。対談中も終始ニコニコしていてイメージと大分違っていた。

 鄭栄桓さんは弁護士を目指し、勉学に励みながら留学同の支部委員長として活動している。

 彼は、大学生が企画から製作までの全てを手がけるBSラジオ番組に出演しているというのもあって、話し方もしっかりしていた。

 一見タイプの違う2人であるが、どちらの発言も21歳の学生とは思えない重みがあった。

 日本社会や世界の諸々の問題を真しに考え、そこから目をそらさず、行動している2人。対談は大学生活から、著名な哲学者の話まで多岐に及んだ。彼らは今の暗い世の中を打破するために何を学ぶべきか、何をするべきか頭を抱えていた。

 さて、去る8月13日、日本の首相は内外の反対を押し切って、靖国神社参拝をした。

 日にちをずらし、批判を少しでもかわそうと「熟慮に熟慮を重ねた」果ての奇弁、愚考だ。

 この姑息な「日本のリーダー」の浅知恵と、2人の青年の苦悩。どちらが朝・日そして東アジアの平和につながるのか、言うまでもない。(香)

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