公的助成金制度−岡山地域商工会活用を積極的にアドバイス

年間人件費、3分の1受給/「6人上限」など各種の要件


 日本の経済が低迷する中、金融機関による貸し渋り現象は、中小零細企業が多い同胞商工人にも深刻な影響を及ぼしている。そこで、少しでも同胞商工人らの経営を助けようと、各地の商工会では日本当局の公的助成金制度の活用に力を注いでいる。岡山地域商工会では近年、雇用・能力開発機構センター(以下センター)を通じて、各種の助成金が同胞企業に適用されるよう、アドバイスをしてきた。その内容を紹介する。

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 舗装土木業を営む30代の金さん(仮名)は今年3月、中小企業雇用創出人材確保助成金制度の適用を受けた。新分野進出(創業あるいは異業種への進出)にともない、労働者を雇い入れた個別の中小企業事業主に対して、雇い入れた労働者の賃金の一部を1企業当たり6人を上限として助成する制度。

 支給要件は、@雇用保険適用事業の事業主でA労働者の確保・育成のための雇用管理改善計画を知事から認定を受けBそれに基づく実施計画をセンター所長が認定しC改善計画の受理日の翌日から1年以内に労働者を雇用しD創業や異業種進出にともなう経費が300万円以上かかった――など。また雇用に関する各種書類が必要だ。

 支給金額は、対象労働者の雇い入れの日から1年間に支払った賃金の3分の1。

 例えば、新しいビジネスを起こし、5人の労働者を雇い入れ、年間の賃金がそれぞれ360万円であった場合、360万円×5人×3分の1=600万円が支給される。

 金さんは2年前、それまで勤めていた舗装土木会社を退職して独立、起業した。その直後、岡山地域商工会のアドバイスを受けて公的助成を申請。今年3月に1回目の助成金が支給された。

 また現在、中小企業雇用創出等能力開発給付金の申請も行っている。これは@事業の高度化などに必要な人材育成A新分野進出などに必要な人材の育成――のため、事業所内外での教育訓練の実施、有給教育訓練休暇の付与、能力開発のための人事交流を行う事業主に対して、その費用の一部を助成する制度。派遣費、運営費および賃金の4分の3が助成される。支給対象期間は@が3年、Aが5年。

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 3年前、デザイン関連業から広告関連業に異業種進出した30代の朴さん(仮名)は、中小企業雇用創出人材確保助成金制度の適用を申請。先日、適用されることが確定した。

 一方、パチンコ・パチスロ機器の販売を手がける李さん(仮名)は、短時間労働者雇用管理改善等助成金を申請した。

 この制度は、パートタイム労働者に対して、一定の雇用管理改善措置を実施するなど、他の事業主の模範となる取り組みを行う場合、その際の経費の一部を助成するもの。

 いずれの制度も申請の理由が明確で、提出書類をすべて整えれば適用される。

 申請に携わった商工会総務部の金順子副部長は、「同胞商工人の経済的悩みを1つでも多く解決できるよう努めていきたい」と語っていた。

 詳しいことは雇用・能力開発機構都道府県センターまで。TEL  0570・001154にかければ、最寄りの各センターに自動転送される。ホームページ=http://www.ehdo.go.jp/

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