金正日総書記の訪ロに関する
朝鮮中央通信の詳報(要旨)
金正日総書記のロシア訪問に関する平壌20日発朝鮮中央通信の詳報は要旨次のとおり。(朝鮮通信)
◇ ◇ 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の金正日委員長は、ロシア連邦のV・V・プーチン大統領の招請により8月4、5の両日、ロシア連邦を公式訪問し、6、7の両日にはサンクトペテルブルク市を非公式訪問し、7月26日から8月18日までロシアに滞在した。 ロシアのプーチン大統領は、金正日国防委員長を、あらゆる誠意を尽くして手厚く歓待した。 金正日国防委員長は、ロシアのプーチン大統領と2回にわたって温かい対面と会談を行い、大統領全権代表と州長官など中央と地方の多くの指導幹部と友好的な談話を交わした。 友好的で虚心坦懐な雰囲気のなかで行われた両国最高首脳の対面と会談では、相互の成果と経験が通報され、朝ロ親善をさらに強化、発展させることと、国際情勢をはじめ相互の関心事となる問題に対する意見が真しに交わされ、討議されたすべての問題で見解の一致をみた。 両国指導者は、深い歴史的根源を持つ伝統的な朝ロ友好・協力関係をさらに発展させることが新世紀に入った両国人民の根本的利益に合致し、アジアと世界の平和と安全保障に大きく寄与すると一様に認めた。 対面と会談では、長い歴史を持つ朝ロ親善を新たな段階へと発展させることは両国人民の一致した念願であるとして、昨年、平壌で調印された朝ロ共同宣言と朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦間の友好、善隣および協力に関する条約の精神にもとづき、東北アジアと全世界での平和と安定、両国間の繁栄と平等な互恵的協力を実現するための友好関係を拡大、発展させる決意を表明した。 プーチン大統領は、金正日国防委員長のロシア訪問が新世紀の初年に実現されたことに大きな喜びを表しながら、今回の訪問が両国の相互理解と信頼、友好と協力をさらに増進させ、新世紀の朝ロ友好関係の発展を推し進めるうえで重要な意義を持つと強調した。 対面と会談では、社会的進歩と発展を目指す両国人民のたたかいに対する相互支持と連帯が表明された。 両国の指導者は、政治、経済、軍事、科学技術、文化などの各分野で双務的協力をいっそう発展させる具体的な方向と措置で合意し、とくに、朝鮮半島の北南とロシア、ヨーロッパを結ぶ鉄道輸送路の創設計画を実現するため、朝ロの鉄道連結事業を本格的に推進する問題をはじめ、当面の協力問題を真しに討議し、立派な結実をみた。 両国の指導者は、一連の国際問題に関する幅広い意見交換を行い、新世紀に双方の共同努力で世界の平和と安定、正義に満ちた新世界構造を形成するためにあらゆる面から寄与する決意を表明した。 プーチン大統領はモスクワ滞在を終える金正日国防委員長と再び非公式対面し、特別な歓待を施した。 金正日国防委員長は今回のプーチン大統領との歴史的な対面を通じて親交をさらに厚くし、朝ロ友好のきずなをいっそう強化した。 金正日国防委員長はロシア公式訪問を終え、6、7の両日、英雄都市であるサンクトペテルブルク市を非公式訪問した。 金正日国防委員長をチェルケソフ北西連邦管区駐在大統領全権代表、サンクトペテルブルク市のヤコブレフ市長、レニングラード軍管区のボブリシェフ司令官、トカチェフ副市長兼対外連係委員会委員長をはじめ中央と市の指導幹部が丁重に迎接した。 金正日国防委員長は、ヤコブレフ市長ら市の指導幹部と会い、友好的な談話を交わし、市長主催の宴会に招待された。 金正日国防委員長は訪問期間、49万人のレニングラード防衛者が安置されているピスカリョフ墓地の「母―祖国」記念碑に献花し、エルミタージュ博物館とペトロパブロフスク要塞をはじめ歴史遺跡、レニングラード金属工場とキーロフ工場などを参観した。 そして、長い歴史と文化、闘争伝統を持つサンクトペテルブルク市を参観し、文化遺産を立派に守り、輝かせていることを高く評価した。 金正日国防委員長は、マリインスキー劇場でバレエ「シルピダ」を鑑賞した。 金正日国防委員長は、ロシア公式訪問とサンクトペテルブルク非公式訪問のため往来する間、ロシアのさまざまな地方に滞在した。 金正日国防委員長がロシアの全領土を通過する全期間、プリコフスキ極東連邦管区駐在大統領全権代表をはじめロシア連邦大統領行政府と外務省の指導幹部が同行した。 金正日国防委員長はモスクワへ向かう途中、7月31日から8月1日まで主要工業都市のオムスク市に滞在した。 金正日国防委員長を駅でドラチェフスキ・シベリア連邦管区駐在大統領全権代表、ポレジャエフ・オムスク州行政長官、オムスク州立法会議のワルナフスキ議長ら中央と地方の指導幹部が迎接した。 金正日国防委員長は、オムスク州行政長官など州と市の指導幹部の同行のもと、戦車や近代的なトラクターを生産するオムスク運輸機械製作工場と「オムスキ・ベーコン」農業総合体、プーシキン名称オムスク国立科学図書館を参観し、州行政長官が催した宴会に参席して州の芸能人が準備した音楽・舞踊総合公演を鑑賞した。 金正日国防委員長は11日、ロシア訪問を終えて帰国する途中、ノボシビルスク市に滞在した。 1984年5月に金日成主席を迎えた追憶を抱いているノボシビルスク市民は、金正日国防委員長を格別な親しみで温かく迎えた。 金正日国防委員長をドラチェフスキ・シベリア連邦管区駐在大統領全権代表、トロコンスキ・ノボシビルスク州行政長官、州代議員議会のレオノフ議長、ノボシビルスク市のゴロジェツキ市長など中央と地方の指導幹部が迎接した。 金正日国防委員長は、中央と地方の指導幹部の案内を受けながら、同市にあるロシア科学院シベリア分院、ツカロフ名称航空生産連合体、シベリア国立鉄道総合大学を参観した。 金正日国防委員長は、多くの戦闘機を生産して前線に送り、偉大な祖国戦争勝利に大きく寄与し、現在は各種の最新式飛行機を設計、製作しているツカロフ名称航空生産連合体を見て回った後、航空機のデモンストレーションを観覧し、これに参加したパイロットと接見し、祝賀した。 同日夕、ノボシビルスク州のトロコンスキ行政長官は金正日国防委員長を歓迎し、盛大な宴会を催した。 8月15日、祖国解放56周年に際し、プーチン大統領はロシアに滞在中の金正日国防委員長に祝電を寄せた。 金正日国防委員長は17日、極東連邦管区の所在地であるハバロフスク市に滞在した。 ハバロフスク市の指導幹部と市民は、朝ロ親善の強化発展のため不滅の貢献をして帰国する金正日国防委員長に崇高な敬意を表し、熱く歓迎した。 金正日国防委員長はスラバ広場にある無名戦士の墓に献花した後、郷土博物館と老兵会館、子供食品総合工場、百貨店を参観した。 金正日国防委員長は、指導幹部と共に船に乗ってアムール川を遊覧しながら温かい談話を交わし、宴会に招待された。 ロシア滞在中、ヤゾフ元ソ連元帥、クリュツコフ元ソ連国家安全委員会委員長、ロシア平和統一党のウマラトバ委員長、カルポフ元ソ連作家同盟中央委員会第1書記ら個別人士が金正日国防委員長を訪ね、歓迎のあいさつをし、国防委員長の健康を祈念した。 金正日国防委員長のロシア訪問と滞在は、プーチン大統領の関心と歓待、ロシア人民の熱烈な歓迎の中、成功裏に終わった。 金正日国防委員長は訪問結果に満足の意を表し、国境を越えながらプーチン大統領に心からの謝意を表する電文を送った。 金正日国防委員長のロシア訪問は、伝統的な朝ロ親善をさらに強化、発展させる新しい転換の契機をもたらした出来事として、輝かしく記録されるだろう。 |