オンマの家計簿Q&A―韓鐘哲(14)

教育資金準備のポイントは?

まず支出計画作成から


   前回、質問いたしました30歳の主婦です。今回は教育資金を準備するうえでのポイント、具体的な方法などがありましたら教えていただきたいのですが。

   子供の教育資金は住宅購入資金などと違って、貯蓄額が足りないので数年後に延期するということはできません。時期がくれば子供は必ず高校、大学へ進学する時期を迎えることになるので、教育資金は住宅購入資金、老後資金とは別に準備する必要があります

 教育資金をどのように準備するか考える前に、まず子供の教育計画・進路計画を立てる必要があります。その計画に沿って必要と考えられる費用を計算します。このように算出した費用が、いつ、いくら必要になるかを一覧表にします。これで教育資金の支出計画ができあがります。この支出計画をもとに、教育資金を準備するのですが、考え方の手順としては、@現在手持ちの金融資産から教育資金に充てられる金額を決める、A現在の収入から教育資金として積み立てられる金額を算出する、B金融資産の運用で得られる利息や収入と積立可能額を算出するという手順で、準備可能な教育資金の金額を計算し、教育資金の支出計画との過不足金額を計算します。資金不足が発生するようであれば、その不足分を準備することになります。

 教育資金を準備する具体的な方法としては、保険型商品の利用、積立型金融商品の活用、教育ローン等の利用があります。

 この中でも保険型商品を利用する方法が一般的で、郵便局の「学資保険」や生命保険会社の「こども保険」の人気が高くなっています。ほとんどの学資保険、こども保険は、@契約者である親が死亡したり高度障害になった場合は、それ以降の保険料の払込が免除される、A満期保険金やお祝金が受け取れる、といった特徴をもっています。保険型商品には、保障を重視したもの、貯蓄性を重視したもの、その併用タイプと商品によって様々な特徴があるので、その特徴をよく理解し、自分の子供の教育計画にあった商品を選ぶことが重要です。

 教育資金の準備というと、保険型商品が一般的ですが、積立型金融商品でも準備することができます。代表的な金融商品としては、公社債投信、自動積立式定期預金、教育積立郵便貯金、財形貯蓄などがあります。

 特徴的なのは教育積立郵便貯金です。教育積立郵便貯金は、郵便局で取り扱っていますが、預入単位は1万円以上5000円単位で、積立限度額は200万円、積立期間は1年以上5年未満となっていて、積立満了後4年以内であれば積立金額と同額までの国民生活金融公庫の教育ローンを利用することができます。

 まとまった教育資金が早急に必要となる場合には教育ローンの利用を検討することになります。教育ローンは大きく分けて公的融資と民間融資があり、教育費のためのローンということで金利は低めに設定してあります。代表的な公的融資の教育ローンとしては、国民生活金融公庫が行うもので「教育一般貸付」、「郵貯貸付」、「年金貸付」の3種類があります。教育一般貸付は、ウリハッキョに通う子供たちの入学、進学時に利用することができます。年収制限がありますが、金利が低く、最寄りの金融機関を通じて申し込むことができます。(ハン・ジョンチョル、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

国民生活金融公庫の教育一般貸付の概要

利用対象者 融資対象となる学校に入学・在学する学生の保護者または本人で、年間収入が1210万円(事業所得者については990万円)以内
融資限度額 学生・生徒1人につき200万円以内
金利 固定金利、年1.85%(2001年8月10日現在)
返済期間 10年以内(交通遺児または母子家庭の方は1年の延長が可能)
据置期間 在学期間以内で元金の返済の据置(利息のみの返済)が可能
ただし、最長4年で据置期間は返済期間に含まれる
使い道 学校納付金(入学金、授業料など)、受験費用、下宿など住居にかかる費用、通学費用、学生の国民年金保険料など

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事