春・夏・秋・冬

 3月、人種差別に関して27の改善を国連から勧告された日本政府。7月、「明白な人種差別行為が行われている状況にあるとは認識していない」との反論を発表した

▼民族教育に対する制度的な差別、朝鮮学校生徒に対する暴行事件、さらには総聯敵視政策etc。日常的に差別・弾圧の網によってがんじがらめにされている在日同胞にとって、日本政府の反論は到底、受け入れられるものではない

▼今月に入り、京都をはじめ大阪、兵庫、奈良、広島、福岡、仙台など各地で次々に明るみに出ている公安調査庁による不当な外国人登録原票請求。この一つを見ても、差別がないとは言わせない

▼しかし、様々な差別に耐えてきたわれわれにとっても、今回の暴挙は驚きである。範囲が日本全国にわたり、請求対象が多数。さらには「破壊活動防止法」(破防法)調査を口実にしている。これでは在日朝鮮人は「日本の平和と安全を阻む存在」ということになってしまう。人権無視、人権じゅうりん、民族差別も甚だしい

▼公安調査庁には情報収集の調査権しか与えられておらず、捜査・逮捕権はない。だからその活動は「協力者工作」に全面的に依存しているという。「協力者工作」とは、「調査対象団体の内部に協力者(スパイ)を設定し、団体内部の情報を継続的かつ安定的に収集する方法」だ(『公安アンダーワールド』)

▼非人権的な要素が濃厚だけに、近年、とみに不要論が台頭し、廃止を視野に入れたリストラが進められている最中の今回の事件。暴挙を絶対に容認してはならない。(彦)

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