本社記者平壌レポート

大同江の遊覧船「平壌1」号

乗客は北・南・海外の同胞


2001年民族統一大祝祭のときにも
「平壌1」号は南の人々を楽しませた


 85年の運航以来、平壌市民に限らず全国各地から来た労働者や、海外同胞、外国人観光客が利用している大同江の遊覧船「平壌1」号。年間およそ20万人が利用している。

 93年から「平壌1」号の支配人を務めているリ・クムオクさん(50)は、最近はヨーロッパの利用客が増えたと言いながら、時代の流れがそのまま遊覧船の客層に表れていると話す。

 「この遊覧船で南の人たちと会えるようになったのは、6.15共同宣言発表のあとからです。初めてこの遊覧船に乗った南の人は、昨年8月の第1回離散家族訪問団の方々でした。あれからちょうど1年になりますね」と支配人。

 第1回離散家族訪問団を皮切りに、これまで第2回北南閣僚級会談の代表団、朝鮮労働党創建55周年行事参観団などが、「平壌1」号で大同江を遊覧した。

 「南の人たちはしきりに統一について話します。もっと大きな船を造って、北と南を行き来しようという話などです。そういう南の人たちの話を聞いていると、南でも統一を成し遂げなければならない、一日でも早く統一しなければという思いが強いことを実感します。この遊覧船が祖国統一に寄与できれば幸いですし、同時にこの船はその役割を果たさなければなりません。一部では多くの南の人たちが利用したこの船を、『統一』と呼ぼうという意見もあるんですよ」

 「平壌1」号は大同江のほとりの風光明媚な景色を眺めながら、大同門、スクソム史跡地、「プエブロ」号など、朝鮮の過去を振り返ることができるスポットを巡っていく。

 リ・クムオクさんは名ガイドとしてもその名が売れている。ところが、2001年民族統一大祝祭に参加した南の代表らが船に乗ったときは「ガイドはしない」と言い張ったそうだ。

 しかし、まわりの人たちの熱烈な要望にマイクを握った。

 「左手に見えるのが、スクソム革命史跡地です。民族団結、民族自主の精神で祖国統一を必ず成し遂げましょう」

 今日もリ・クムオクさんの太くて力強い声が大同江に響き渡る。
【平壌発=姜イルク記者】

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事