ざいにち発コリアン社会

各地のサマースクールから

「自信」「誇り」「トンム」「思い出」

別れを前に参加者全員で記念撮影(京都・滋賀ブロック) 自分が朝鮮人であることを熱く語った雄弁大会(大阪・奈良・和歌山ブロック)

 日本の中学、高校に通う同胞生徒らが集うサマースクールが今月3日から29日まで、全国10ヵ所で開催され、創作劇やOBらによる講義、在日同胞のルーツをテーマにした一人芝居の上演など、それぞれに趣向を凝らしたイベントが企画された。参加者らは友情を育みながら、民族の一員として生きていくことを誓い合った。各地の参加者たちの感想を紹介する。

近畿

祖国をもっと知りたい、朝鮮人としての自覚を

 最後のサマースクールになってしまったけど、トンム(友達)たちと話すことの大切さ、チョソンサラム(朝鮮人)のトンムの大切さを今さらながら再認識した。これからもチョソンサラムとしてがんばっていく。(宣亜樹、高3・大阪)

 初めて参加したが、本当に来てよかった。今までほとんど祖国に興味を持たなかったけど、もっと祖国のことが知りたいと思うようになった。なぜなら、サマースクールに参加している人たちは、本当に朝鮮のことが好きで、その思いがビンビン伝わってきたからだ。祖国についてもっと勉強したい。(趙泰信、高3・奈良)

 一人の朝鮮人としてきちんと生きている人が多いんだなと思った。サマースクールは、僕が知る限り唯一朝鮮人がいっぱい集まる場所だと思う。

 こんな機会は、一生に数えるほどしかないし、大人になったらもうないかもしれない。だから、今この時を大切にして、ここで出会った朝鮮人のトンムと仲良くして、いろんなことを一緒に、真剣に語り合うようにするのが重要だと思った。(金勇樹、高1・京都)

 みんなと話し合っていると、それぞれの考え方がある。でも、朝鮮人としてどう生きていくのかは、結局、自分で答えを見つけるものだと感じた。

 (在日同胞のルーツをテーマにした)一人芝居はストレートに胸に入ってきて、辛かった。と同時に、自分は朝鮮人なんだと改めて感じた。それは僕には喜びでもある。(林一明、高3・京都)

 戦争のことや、在日同胞が日本社会で差別に打ち勝ちながらたくましく生きている事実を知ることができ、勉強になった。

 これからは、自分が朝鮮人だという自覚をもって生きていきたい。(李哲魯、高3・京都)

 一人芝居がよかった。いろいろな思いが一つの芝居に込められていた。昔、日本は朝鮮人にひどいことをしたのに、いまだにそれを謝っていないことが悲しくなった。

 今までは、朝鮮人も日本人も同じだと思ってきたが、サマースクールに初めて参加して、たくさんの同胞の友達と仲良くなって、そうでないことに気づいた。(崔萌子、中1・京都)

中国

恥じる気持ちなくなる、本名に自信持ちたい

 僕が初めてサマースクールに参加したのは中1のとき、兄に連れられてだ。そのとき、初めて友達になったのがとてもいい奴で、「これがサマースクールか」と感慨深かった。

 サマースクールに参加するまでは、朝鮮人は無力だと感じてきたが、力が湧いてきた。

 僕が通う学校には「朝問研(朝鮮問題研究会)」という朝鮮人生徒の集う場がある。そこで、自分をしっかりアピールしていこうと思う。そして、本名宣言をする。みんなにも朝鮮人であることに誇りを持ってほしい。(金省覯、高2・広島)

 私がサマースクールに参加しようと思ったのは、同胞との輪を広げたいと思ったからだ。初めて参加したのは昨年。そのときから新しい人生がスタートした。

 何も考えず、軽い気持ちで参加した私は、サマースクールに熱い思いを持ち、民族や文化を一生懸命学び考えている人たちを見て衝撃を受けた。と同時に、自分も祖国のことをもっと知りたい、同胞同士のつながりをいっぱい増やしたいと思うようになった。

 それ以来、私は学校の友達に「私は朝鮮人」と打ち明けたい、本名宣言をしたいと思い始めるようになった。自分の中で朝鮮人であることを恥じる気持ちがなくなり、逆にうれしいことに思えるようになったのだ。

 でも、どんなに自分の思いを他人に伝えたくても一人ではどうすることもできないときがある。だから、より多くの同胞と手を取り合っていきたい。(李亜紀奈、高2・広島)

関東、甲信越

同じ境遇の友と時間共有、自然に生まれる団結力

 もう最後のサマースクールになってしまった。今まで5回参加して、得たものは自信、誇り、トンム、思い出などたくさんある。そして、何より一番の思い出は本名宣言をしたこと。私の人生そのものが大きく変わる出来事だった。

 サマースクールに参加しなければ、何もないただ平凡に過ぎる毎日だったかもしれない。ここでトンム、オッパ(お兄さん)、オンニ(お姉さん)、たくさんの人に出会えて本当に最高だった。(金優美、高3・東京)

 今回で5回目の参加だ。なぜ、毎年欠かさず来るかというと、自分と同じような境遇の友達と時間を共有して楽しむことがうれしいからだ。それは、学校の友達とは決して共有できないものだ。来年もまた、笑顔がいっぱいのサマースクールであればいいと思う。(白玉姫、高2・茨城)

 サマースクールに参加するのは今年で3回目になるが、毎年身をもって学ばされることは、「コリアンとしての誇りを持とう」ということ。ここではみんなの団結力が自然に生まれてくる。一人一人が相手を思いやる気持ちはほかの何ものにも負けない。

 まだサマースクールに参加したことのないたくさんの人たちにも、このすばらしさを味わってほしい。(黄智順、高1・新潟)

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