春・夏・秋・冬

 集合離散を繰り返す南朝鮮の政治――。何も今に始まったことではないが、南の政治を見つめてきた友人は、林東源統一相の国会での解任騒動について「風見鶏がうごめき始めた」と論評する

▼日本では、時の権力の行方にアンテナを張り巡らし、政治信条をかなぐり捨ててまで勝馬に乗ることに執着した中曽根元首相の代名詞のようにマスコミで使われた呼称だが、南では「金鍾泌元総理を指す」

▼実際、その経歴は「風見鶏」。61年、軍事クーデターで権力を奪取したかの朴正煕と共に表舞台に登場し、中枢に位置した。朴射殺後、全権を掌握した全斗煥に80年、不正蓄財で逮捕されたが、政界復帰後は朴の与党、旧共和党を糾合して活動。87年の大統領選挙敗北後は盧泰愚、金泳三と手を組みポスト金泳三を狙った。しかし、形勢がままならぬと見るや金泳三と袂(たもと)を分かち、金大中政権誕生後、連立を組んで総理に就任した

▼友人いわく「8.15統一祝祭行事の問題は口実。来年末の大統領選挙をにらんで、自分の出番がなくなることに対する恐れが、国会での林統一相解任賛成行動になって表れたのだろう。しかし、彼には誤算がある。自民連が自分の一声で動く政党だと思い込んでいる点だ」

▼ハンナラ党の李会昌が有利だといわれる大統領選挙。「家柄、学歴、政治歴…、エリート中のエリートを自負する自惚れが落とし穴。冷たい性格。気付いたら回りに誰もいない裸の王様になる可能性もある」と評するが、6.15宣言の実現に向け、南の政治には目が離せない。(彦)

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