同胞の店
焼きもの屋・一心
(神戸市長田区)
めざすは地元同胞の「マダン」
神戸市長田区のJR新長田駅前。崔敏秀さん(48)、李光子さん(44)夫妻が営む「焼きもの屋
一心」は、地元の多くの同胞にこよなく愛される人気店である。
10年前にオープンした当時は、今とは別の場所で営んでいたが、震災復興の過程で、区画整理によって移転を余儀なくされ、昨年、松野・大池分会事務所の1階に移った。 同店のメニューはお好み焼きがメインだが、焼物全般を取り扱うことから「焼きもの屋」を名乗る。 とくにおすすめというのが、朝鮮料理店ではポピュラーなメニューという「サムギョプサル」だ。 豚バラ肉、ニンニク、シソの葉、トウガラシなどを、同店の手作りミソと一緒にサムチュで包んで豪快にほおばる。噛むとジューシーな肉汁と刺激的な辛味が口全体に広がる。これがクセになるのか、来店のたびに注文する客が後を絶たない。 メニューにないものでも、例えば冬なら辛いカキチゲ(鍋)という具合に、常連客から要望があれば「創作メニュー」として臨機応変に応えるというから面白い。 目指すは「地元の同胞がわいわい騒げる『トンポマダン』(同胞の場)」という同店。最良の味を追求する職人気質の崔さん、常に笑顔を絶やさない李さん夫妻の人柄も、多くの固定客を引きつけて離さない一因だろう。(根) おすすめメニュー アゴスジ塩焼(650円)、スジ豆腐オムレツ(650円)、チーズ巻(450円)、テッチャン鍋(1000円) 営業時間 午後5時〜11時。水曜休。神戸市長田区水笠通6丁目1―1。TEL 078・621・6877。 |