米のMDシステム、絶対的軍事的優位が狙い

労働新聞が指摘


 米国が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を「冷戦時代の遺物」と言い放ち破棄しようとしていることと関連し、労働新聞(7日付)が署名入り論評を掲載、これを非難した。

 同紙は、米国が朝鮮をはじめとする一部の国の「ミサイル脅威」のため米本土と同盟諸国の安全が威嚇されているかのような世論を形成し、これを防止するため新たなミサイル防衛システム(MD)が必要であると主張しているのは途方もない奇弁である、と非難、次のように指摘した。

 米国がABM制限条約を破棄しようと躍起になっているのは、「防衛」のためではない。

 米国は、核大国を制圧して絶対的な軍事的優位を占め、世界制覇の野望を実現するため、MDシステムを樹立しようとしている。

 核兵器は米国の独占物ではない。核というこん棒を振り回してもかつてのように驚く国は別にない。こうしたことから米国は、MDシステムを樹立しようとしているのである。そうしてこそ、世界制覇の野望を容易に達成できるというのが米国の胸算用である。

 冷戦時代の軍拡競争を通じて旧ソ連を崩壊させたように、ABM制限条約を破棄することでロシアを軍拡競争に引き入れ、強い国家建設を志向するロシアの潜在力を著しく弱めようとしている。

 米国は、宇宙の軍事化を推し進めることにより大国をけん制し、支配権を確固と掌握して衰えている自国の経済に活力を吹き込むことができると打算し、ABM制限条約を破棄する道へと露骨に向かっている。

 最近、米国は必要なときにABM制限条約を破棄すると公言している。

 こうなると、世界的な戦略的安定と均衡の破壊はもちろん、宇宙でも軍拡競争がし烈になるということは火を見るよりも明らかである。

 新世紀が始まった今もなお軍事費を史上最大の規模に増やし、新たな軍拡競争の熱風を起こそうとするのは、ブッシュ政権が世界制覇の野望をいかに執ように追求しているのかをはっきりと示している。

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