オンマの家計簿Q&A―韓鐘哲(15)
保険加入での注意点は?
特性理解しニーズよく考える
Q
40代の主婦です。最近、わが家のタンスを整理したところ、さまざまな保険証券が出てきました。すべて目を通して思ったのですが、生命保険と損害保険はどのような違いがあるのですか?
それぞれの特徴があったら教えてください。また、これから保険に加入する場合の注意点があれば教えてください。 A 社会生活を営んでいると、不測の事態が発生し不意の出費を強いられることがあります。しかし、金銭的な準備が不十分だと現在の生活が破たんをきたしてしまうこともあります。保険は、不測の事態が発生したときに、それによって生じる金銭的経済的リスクを保障(補償)するものです。この保障(補償)の最も一般的なものが、生命保険、損害保険なのです。 生命保険とは、人の生死に対し一定額の保険金を支払うもので、最終的には人の死が、その保険契約の終了ということになります。生命保険自体は被保険者を直接対象とするというよりも、被保険者の死によって残された家族のための保険といえます。例えば、ご主人の収入で家計が成り立っている場合、ご主人に万一のことがあると、蓄えが充分ある場合を除いて、残された家族は今後の生活をしていくうえで金銭的に困ることになります。生命保険は、このような人の死というリスクを回避するために必要な保険で、現在9割を越える世帯が加入しています。また、生命保険は契約時に受取保険金を自由に設定することができ、死亡の理由が病気なのか事故なのかで支払保険金に差が生じることがありますが、原則として契約時に設定された保険金が定額給付されることになります。 生命保険は基本的に「死亡保険」、「生存保険」、「生死混合保険」という3つの基本形に分けることができます。死亡保険とは、被保険者が死亡または高度障害になったときに保険金が支払われる保険です。生存保険とは、契約してから一定期間が終了するまで被保険者が生存していたときに保険金や年金が支払われる保険です。生死混合保険とは、被保険者が保険期間の途中で死亡または高度障害になったときには死亡保険金などが、保険期間満了まで生存していたときには満期保険金が支払われる保険です。現在の生命保険はこの3つの基本形にさまざまな特約や条件が付いたものとなっています。 損害保険とは、私たちの生活を取り巻く環境の中で、いつ起こるかわからない予測不可能な火災や事故などの偶発的な事象によるヒトやモノに関する損害をカバーする保険です。自動車保険に代表されるように偶然の事故による修理費、治療費、損害賠償などの金銭的負担の被害程度に応じた実質損害額を補償する保険です。 損害保険は、商品自体きわめて複雑で、個人や企業の多岐にわたる要求にこたえるため、その保険の種類は特約も含めると数千種類におよぶともいわれています。商品の基本形も、自動車保険、火災保険、地震保険、損害賠償保険、レジャー保険、そのほかに航空機、船舶、動産などとそれにかかわる利益保険、積立保険など、非常にさまざまな形があります。また、損害保険の最近の特徴としては、健康保険、国民健康保険でカバーすることができない医療費を保証する医療費用保険、寝たきりや痴ほうなどで介護が必要な場合の費用を負担する介護費用保険など、生命保険の商品に近い保険も出てきていることです。 このように、一口に「保険」といっても多種多様な形態があることがわかったと思います。これから保険に加入するときは、生命保険、損害保険のそれぞれの特性をよく理解し、加入する人のニーズは何なのか、今まで加入した保険の補償内容と重複する部分はないかなどをよく考えてから保険に加入することが重要といえます。 |