私たちのうた
一度流れた川の水は二度とは止められない/許南麒
われらは 大きな川の水 海に向かってひた走る 力強い水の流れ この流れをなす 水滴一つ一つは ただ弱く小さな力かも知れないが その水滴が集まり せせらぎとなり せせらぎがあつまり小川となり 小川があつまり渓流となり 渓流があつまり川となり 大河をなし 音をたて岩を蹴散らし走るのに 誰がこの流れの前に ダムを築こうとあがくのか いったい誰が この力強い流れを 阻もうとするのか (中略) われらは 大きな川の水 東海に向かって ひた走る力強い波 祖国を二つにわける わるだくみを押しのけ 海に向かって 統一に向かって走るべき 怒り狂う波 前をあけろ 岩をどかせ 一度流れ出した水は 二度とはとめられない! (1960年) ホ・ナムギ 1918〜88。慶尚南道東菜生まれ。叙事詩「火縄銃の歌」など。(訳・全佳姫) |