第7回同胞中央登山の集い  近畿ブロック六甲山

近畿・東海地方から380余人参加

5歳から80歳の老若男女380余人が休日のひとときを楽しく過ごした 「まだまだ若者には負けないわよ」多くの女性参加者の姿があった

 年に1回行われる同胞登山愛好家らの山の祭典、第7回同胞中央登山の集いが今年も開催された。昨年までこの集いは、全国各地からの同胞愛好家らが一堂に会し、日本国内の数々の名山を登って来た。今年は趣旨を変え、東日本ブロック(北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海地方)、近畿ブロック、中四国・九州ブロックの3つに分散し、登山大会が行われる(東日本は10月8、9日、中四国・九州は10月7、8日)。

 16日、今年の中央登山大会の先陣をきって、第7回中央同胞近畿ブロック登山の集いが神戸市を一望できる夜景の名所、六甲山で行われた。

 きびしい残暑と初秋のすがすがしい風がいりまじる天候の中、この日の登山の集いには、近畿地方と愛知、岐阜の両県から訪れた愛好家ら380余人が休日のひとときを過ごした。

 午前9時10分。待ち合わせ場所のJR新神戸駅はすでに登山用のリュックサックを背中にぶら下げた同胞らでにぎわっていた。今日の日を待ちに待ったといわんばかりの参加者の表情には笑みがこぼれる。前夜、台風の影響で激しい雨が近畿地方に降り、登山決行があやぶまれたが、この朝は前日の雨がうそのような晴れの天気に見舞われ、その分愛好家らも気が高揚したのだろう。

 軽い準備体操を終えて、午前9時半いざ出陣。合流地点の修法ヶ原に向け約2時間半の山登りへ。

 今回の近畿登山大会はコースを2つに分けて行われた。約6キロメートルの一般コースと約10キロメートルを走破する健脚コースで、約3分の2の参加者は一般コースを選んだが、健脚コースには多くの女性が挑戦した。

 記者が同行した一般コースは、初心者はもちろんのこと幼い子供から高齢者まで幅広い世代の同胞がファミリーで、初秋の山の香りを楽しんだ。

 四方を緑に囲まれた山の空気はとてもおいしい。都会での生活から離れた開放感にひたりながらすがすがしい風に体を後押しして勾配を登った。

 布引の滝、展望台、市が原を経て、午前11時半、健脚コースより一足早く合流地点に到着。各地域登山会ごとに陣取った同胞らはさっそく手作り弁当を広げ、空腹の腹を満たした。

 「空気もおいしいし、景色もきれいだし、今日の昼食は格別」との声があちこちで聞こえてきた。

 今回の集いには特別参加で愛知、岐阜県から20数人の愛好家が合流。彼らの昼食を地元兵庫登山協会のオモニらが準備した。昨年兵庫の同胞が愛知同胞を有馬に招待するなど、両登山会は第3回中央登山の集いから親ぼくを深めてきた。愛知同胞登山協会「愛山会」李淑姫副会長は、「兵庫の仲間に逢えてうれしい。空気も景色もよし、仲間もよし、気分は最高。今夜は兵庫と親睦会を開き最終列車で帰ります」と話す。

 一方、男性ばかり20人が集まり、会食を楽しむ大阪・生野西「コルム会」。メンバーの中には洪達準(71)、梁幸道(72)さんの元気な姿が見えた。

 「こうやって若い同胞らといっしょに山登りをすると、身も心も若返る。景色も空気もうまいが、なんといってもこれだけ多数の同胞らといっしょに登山できることが何よりもうれしい」(洪達準さん)

 一般コース組がほとんど昼食を終えた午後12時半ごろ、汗まみれになりながらも充実感に満ちた表情を浮かべる健脚組が合流地点にやってきた。一般組は拍手で彼らを迎えた。

 地元兵庫の宝塚・「山逢会」では13人中11人が健脚コースに参加。月に2回登山会を持っているという同会全燦栄会長は「最初4人でスタートした会も今は32人に増えた。家族団らんの雰囲気がモットーで、登山を通じ同胞の輪を大切にしたい」と語った。

 昼食も終わり、総勢380人の参加者らは記念写真におさまった。

 兵庫県同胞登山協会崔種楽会長は「今日は近畿同胞登山愛好家らが一堂に会した歴史的な日。民族的親ぼく、健康促進のため登山愛好家の輪を広げていこう」と語った。

 近畿地方初の合同登山の集いを無事終えた参加者らは、満足感と充実感、さらなる夢を胸に下山した。(千貴裕記者)

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