同胞の店
四川風タンタン麺・ベリー
(福岡市博多区)
50歳での脱サラ/「うまい店」との評判高く
50歳にして脱サラし、第2の人生を歩み始めたオーナーの全哲煥さん(50)。
「子育ても終わり、これからの人生、打ち込める新たな目標がほしかった」 昨年3月に退職。11月6日に店をオープンした。 家では食器すら洗ったことがなかった全さんだが、2、3年前から飲食業にあこがれていたという。 「九州はラーメンが本場、50からでは他店に勝てないので、女性にも人気があるタンタン麺に絞ることにしました」 4月から5カ月間、中華料理店で修業をした。皿洗いからの再出発。朝鮮大学校ラクビー部で鍛えた体力と根性で、1日10時間の修業に打ち込んだ。 店舗は13坪、テーブル3つにカウンター7席とこじんまりしている。 辛さを客の好みに合わせるタンタン麺はなかなかの評判。炒め物も「量が多い割には値段が手ごろ」と喜ばれている。 「安くてうまい」との評判でお客は少しづつ増えているが、収入はサラリーマン時代よりも少なくなった。 営業日には午前8時から午後11時過ぎまでびっしり働き、日曜日の定休日には1日中仕込に精を出している。タンタン麺に使う「自家製ラー油」には4、5時間をかけるという。 「100円を儲ける苦労を知りました」(全さん) 専業主婦だった妻の孫秀實さんも、夫の夢を実現させようと手伝っている。 そんな「脱サラ中年同胞夫婦」を、店の近くに事務所がある総聯本部、福岡支部、県商工会と朝銀西信用組合福岡支店の職員たちが温かくエールを送っている。(羅) おすすめメニュー タンタン麺(550円)、チャーハン(450円)、鳥のから揚げ(500円)、野菜炒め(400円) 営業時間 午前11時〜午後10時。日曜休。福岡市博多区大博町12―24、地下鉄箱崎線「呉服町」駅下車徒歩10分。TEL 092・272・1883。 |