ソウルと日本の児童合唱団員相互の童謡CD制作

東京第1初中級学校児童がコーラス披露


 東京朝鮮第1初中級学校の初級部4〜6年生10人(男子5、女子5)が、日本とソウルの合唱団から選ばれた子どもたちが朝鮮半島と日本の童謡をお互いの言葉に訳して歌い合う企画のCD制作に、コーラスで参加した。録音作業の模様は昨年12月27日、朝の人気情報番組「ズームイン!!  SUPER」(日本テレビ系列)で紹介され、子どもたちは番組に生出演。東京韓国学校、在ソウル日本人学校などの子どもたちとともに、少し緊張した表情でコーラスを披露した。

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 東京第1の子どもたちがコーラスに参加した曲は、アルバムのイメージ曲としてラストに収められる予定の「TOGETHER」。この企画のために作られたオリジナル曲で、国や民族、あらゆる違いを越えてひとつになろうとメッセージが込められている。1番は朝鮮語、2番は日本語、そして最後にリフレインを繰り返す部分は英語の歌詞だ。

 企画したソウル・国立韓国芸術総合学校音楽院の閔庚燦教授は「真の『TOGETHER』にするために、朝鮮学校児童の参加が必要だった。本当に感謝している」と話す。こうした呼びかけに、昨年の在日朝鮮学生芸術コンクール関東ブロック大会の初級部声楽部門重唱で金賞に輝き、優秀作品発表会にも出演を果たした東京第1の児童が応えることになったのだ。ただし、変声期に入った男子児童がいたため、コンクールの時とは若干メンバーの入れ替えが行われた。

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 録音は12月26日、都内のスタジオで行われた。当然ながら、本格的なレコーディングスタジオにはみな足を踏み入れるのも初めて。立ち並ぶ機材や忙しそうなスタッフ…。すでにその雰囲気に圧倒される。

 ブースの中では合唱団の子どもたちによるメインパートの録音が行われていた。長引いているようで、ロビーで待つ。ロビーはコーラスのために集まった子どもたちでいっぱい。みな初対面だが、同じ曲を練習してきたという共通点がある。誰かが口ずさみ始めるとついてくる子が増えていき、いつの間にか合同練習になったりもした。

 やっと出番。コーラスに参加したのは東京第1の10人を含め、小学生ばかり全員で47人。ハーモニーをピタッと決めるのは至難の業だ。コーラスを録音したのは1番、2番、そして最後に繰り返すリフレインの部分だけだが、細かい部分ごとに練習、リハーサル、本番が繰り返され、プロデューサーがOKを出すまでその繰り返しが続いていく。子どもたちも真剣だ。とくに難航したのが英語の歌詞の発音で、1人でもおかしいとやり直し。すべて終了したのは、スタジオ入りから5時間近くが過ぎた頃だった。

 翌日、テレビの生本番ではメインパートを歌う合唱団の子どもたちとともに「TOGETHER」を披露。早朝のスタジオ入りにもかかわらず、子どもたちは元気な歌声を披露した。

 6年の成里奈さんは「私たちはコーラスでゲスト参加しただけで主役ではなかったけれど、朝鮮学校の生徒として堂々と歌えてテレビにも出られてよかったと思う。ちょっと疲れたし、緊張したけど楽しかった。みんながひとつになれる、仲良くなれるという歌詞のこの曲がとても気に入った」と話していた。

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