労働新聞はじめ朝鮮のメディア、米に年頭から警鐘鳴らす
変らぬ孤立・圧殺企図
「唯一超大国」を自称して軍事力による世界支配を狙い、アフガニスタンでの軍事作戦を続ける一方で対朝鮮強硬政策を強化している。米国に対し、労働新聞をはじめとする朝鮮マスコミは年頭から警鐘を鳴らしている。朝鮮通信から一部の要旨を紹介する
労働新聞8日付論説 新世紀に入ってからも米国は対朝鮮孤立・圧殺策動に執着している。これは、米国が世界支配野望を追求していることに起因する。米国は「唯一超大国」を自称しすべてが自分たちの侵略野望どおりになり、すべての国が自らの意思と要求に無条件応じるべきだとのごう慢な立場を取っている。こうした態度は、アフガニスタン戦争を契機にいっそう露になっている。 マスコミを利用してアフガニスタン戦争後の「テロ懲罰の目標」に「北朝鮮がなりうる」という世論を流したのは、朝鮮半島を次の戦争が起こる可能性のある地域に定め、アジア太平洋戦略の焦点を朝鮮半島に合わせていることを示唆する。米国は、「反テロ」の名目のもと日本の海外侵略策動をあおり、米・日・南朝鮮間の3角軍事同盟化をいっそう強化している。 米国の対朝鮮孤立・圧殺企図は、北南間の和解と朝鮮半島の平和に向けた雰囲気づくりに害を及ぼす。何よりもまず、米国は南朝鮮から米軍をただちに撤退させなくてはならない。また朝鮮人民に反対する無謀な戦争演習を中止すべきであり、南朝鮮に持ち込んだあらゆる殺人兵器を完全に撤収させるべきである。 9日発朝鮮中央通信論評 朝鮮半島で平和と安定、民族的統一が達成されていない根本的原因は、米国の時代錯誤の対朝鮮政策と米軍の南朝鮮占領にある。 とくに、昨年新たに登場した米の現政権は、前政権時代に朝米関係の改善で達成された進展を好ましく思わず、対朝鮮孤立・圧殺策動をいっそう強硬に推進している。このため昨年、朝鮮半島の情勢はさらに激化し、6.15北南共同宣言の発表後、良好に発展していた北南関係にも否定的な影響が及ぶようになった。これは、米国が口先では冷戦終息や世界平和を唱え、朝米対話と北南関係の改善に関心があるかのように公言しているものの、実際には冷戦的思考から脱していないことを示している。 朝鮮が分裂し、朝米関係が半世紀以上も敵対状態のままなのはすべて冷戦の産物だ。しかし東西冷戦は旧ソ連の崩壊によって終わって久しい。米国は、朝鮮半島で冷戦時代の古い遺物を清算する当事者としての責任から逃れられない。 対朝鮮敵視政策の放棄、朝米間の平和協定締結、南朝鮮駐屯米軍の撤退は、朝鮮半島で冷戦時代の遺物を清算する鍵となる。米国は、現実的に対話の雰囲気と条件を作り、わが国に対する孤立・圧殺企図を捨てなくてはならず、何よりもまず、南朝鮮から米軍を撤退させるべきだ。南朝鮮占領米軍を維持しながらわれわれの「通常戦力削減」問題をうんぬんするのは、われわれの自主権を無視し、われわれを完全に武装解除しようとする強盗さながらの主張に過ぎない。 労働新聞10日付論評 米の好戦勢力は最近、アフガニスタン戦争後の次の攻撃目標が「北朝鮮になりうる」との世論を広め、「北朝鮮の核・ミサイル脅威」と「通常戦力削減」を公言している。しかし米国こそ、真の核・ミサイル脅威の張本人であり主犯だ。 米国が、ありもしないわれわれの「ミサイル脅威」を口実にミサイル防衛(MD)システムの樹立を強引に推し進めているのは強盗さながらの論理だ。MDシステムの主な標的は朝鮮であり、米国は、南朝鮮にMDシステムの中核装備であるミサイル迎撃レーダーを配備しようとしている。 さらに重大なのは、朝鮮を狙って核兵器など膨大な侵略武力を展開して攻撃態勢を取っている米国が、われわれに「通常戦力削減」を求めていることだ。米国の対朝鮮敵視政策と孤立・圧殺策動は、朝鮮半島緊張状態を激化させ、戦争の脅威を増大させている。 労働新聞10日付署名入り記事 米国の好戦勢力は「人権」や「宗教」などの途方もない問題を持ち出してわれわれに因縁をつけ、次の「反テロ戦争」「ならず者国家作戦」の目標として朝鮮に目星をつけ始めた。ブッシュ政権がわれわれに「テロ支援国」「ならず者国家」のレッテルを貼りつけようとしているのは、新たな国家テロでわが国を圧殺するためである。 米の好戦勢力がテロ分子を「支援」する国々とミサイルと大量殺りく兵器を「拡散」させる「ならず者国家」を作戦の目標にすると公然と宣布したのは、われわれを標的にするということを示唆したものだ。 われわれが自衛的措置としてミサイルを製造するからといって「ならず者国家」であるなら、莫大な各種ミサイルと2万余の核弾頭を保持している米国は何なのか。米国こそ世界最大のならず者国家である。 労働新聞11日付論説 21世紀最初の年は、米国の侵略的な対外政策が失敗と挫折で特徴づけられた年、米国の国際的孤立と破滅がより深まった1年だった。 米は朝鮮半島情勢をいっそう緊張させた。ブッシュ執権勢力は対朝鮮強硬路線を打ち出し、南朝鮮に圧力をかけるとともに侵略武力を大々的に増強して各種の戦争演習を繰り広げた。 米国は昨年12月3日、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約脱退を正式に宣言し、ミサイル防衛(MD)システムの実験を数回行った。また国内法を国際法の上に置く独断的でごう慢な行為も辞さなかった。また昨年3月末には「京都議定書」の履行を正式に拒否した。米国は自国の「人権基準」などにもとづき多くの国を名指しで攻撃し、内政干渉的な圧力をかけた。ブッシュ政権の対外強硬政策は失敗だけをもたらし、米国自体を深刻な国際的孤立と破滅に追い込んだ。 米国は、世界の指導者を自称しながら力に頼って狂奔したが、昨年の国際情勢の流れを意のままに主導できなかった。米国のABM脱退とMD配備策動は、多くの国の抗議と糾弾を呼び起こした。また「京都議定書」の履行は米国の拒否にもかかわらずEU諸国など多くの国の努力により一連の進展をみた。米国は国連人権機構から追い出される苦汁をなめ、国連麻薬統制委員会からも追い出された。第56回国連総会では、米国の対キューバ制裁に反対する決議案が167カ国の賛成で採択された。 米国が覇権主義、支配主義政策を引き続き実施するなら、国際的な孤立と破滅の運命を免れないというのが昨年の米国の侵略的な対外政策の主な総括だ。 11日発朝鮮中央通信 われわれの「ミサイル脅威」に対処して、米国が南朝鮮駐屯米軍と南朝鮮軍を保護するために特殊ミサイル部隊を創設したという。これは、他人のせいにして戦争武力を増強する米国の常とう的な手法を改めて明白に示す危険な事態である。 こんにち、世界におけるミサイル脅威の張本人は米国だ。米国は世界的にもっとも多くのミサイルを保有しながらも、他国の「ミサイル脅威」を口実にしてMDシステムを樹立しようとしており、朝鮮半島に特殊ミサイル部隊まで創設した。これは、わが国に対する明白な挑発的敵対行為であり、朝鮮半島とアジア太平洋地域の戦略的安定を意図的に破壊する犯罪行為である。また北南関係をいっそう悪化させ、朝鮮の統一を阻もうとする陰険な犯罪的企図として、わが民族の警戒心をいっそうかき立てている。 民主朝鮮12日付論評 今年を「戦争の年」と宣布した米国は、北侵戦争挑発の口実をつくるためわれわれに「テロ支援国」のレッテルを貼り、「ミサイル脅威」を騒ぎ立てている。 われわれは恒常的な米国の軍事テロの脅威にさらされている。世界でもっとも多くのミサイルを保有しているのは米国であり、われわれのミサイル開発は自衛のためのものだ。 朝鮮半島の緊張を激化させるブッシュ政府の反共和国圧殺策動によって朝米関係は引き続き悪化しており、それは北南関係にも悪影響を及ぼしている。冷戦構造の産物である朝米、北南対決状態が解消され、朝鮮半島と世界の恒久的な平和と安定を遂げるためには、米国が対朝鮮敵視政策を放棄し、南朝鮮占領米軍を撤退させるべきだ。 |