各地で新春講演会
国際情勢と総聯の課題に言及
19全大会決定貫徹へ
新年恒例の新春講演会が全国各地で開かれている。10日に宮城、12日に青森、13日に群馬、福島、愛知、静岡、三重、14日に長野、新潟、鳥取、18日に宮崎、19日に秋田、高知、香川、20日に岐阜、福井、富山、奈良、岡山、島根、21日に北海道、大分でそれぞれ行われた。講演会では、朝鮮半島をめぐる最近の情勢と新年に総聯が力を注いでいく課題などが言及された。講演会は来月初旬まで各地で行われる。
許責任副議長 総聯川崎支部で講演
総聯神奈川・川崎支部が13日に行った新春講演会には、総聯中央の許宗萬責任副議長が講師として出演した。総聯神奈川県本部の李漢洙委員長、同支部の梁吉洙委員長をはじめ110余人の同胞が参加した。 許責任副議長は講演で、朝鮮と総聯に対する前代未聞の弾圧が加えられている点について指摘。総聯の活動家と同胞は、つねに米国と日本の政治情勢と周辺の事態を鋭く分析する必要があると述べ、ブッシュ米政権の世界戦略、対朝鮮敵視政策、日本と南朝鮮の政治情勢について述べた。 許責任副議長は総聯を取り巻く環境、とくに朝銀問題について詳しく述べながら、総聯と民族金融機関を弾圧する日本の捜査当局とマスコミの不当性について語った。 また総聯は今年、総聯19回全体大会で示した、仲むつまじく、豊かで力強い同胞社会を実現するため全力を尽くしていくと強調。19全大会の決定を貫徹する突破口を開き、愛国愛族運動において転換をもたらしたいと抱負を語った。 桜本分会に住む神奈川県青商会の金相泰会長(37)は、「祖国を取り巻く情勢がよく理解できた。民族金融機関の再建など同胞社会が抱える課題を解決する年にしたい。青商会を魅力ある組織にするため頑張る」と感想を述べていた。 難局克服し、愛される組織に 活動全般を大きく転換 各地の講演会で講師らは、@朝鮮半島を取り巻く国際情勢A朝鮮の展望B総聯活動の展望――などについて語っている。 国際情勢と関連しては米国の世界戦略の解説に多くを割いた。講師らは、ブッシュ政権は世界で米国中心の秩序を構築しようとしており、昨年9月のテロ事件後、その動きが著しくなっていると強調。とくに朝鮮に対しては政権発足初期から朝米間のさまざまな合意を反古にし、タリバン政権崩壊後は「テロ支援国家」のレッテルを貼って対決姿勢を鮮明にするなど、敵視政策を取り続けていると述べた。 また、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の破棄など、自国の要求が貫徹されない各種国際条約から脱退するという独善主義的な態度をとっていることにも言及した。 日本が米国に同調し、テロを口実に軍国主義化を進めていることにも警鐘を鳴らした。 昨年、日本政府がテロ対策特別措置法を成立させ、海外派兵への道を開いた重大性を重ねて強調しながら、現在開催中の通常国会で有事法制を実現し、戦争の道へ進もうとしていると述べた。 また日本の捜査当局が朝銀と総聯に対して「検査忌避」を口実にした強制捜査と職員逮捕を行ったことは、民族差別に基づく政治弾圧だと厳しく非難した。 朝鮮の展望に関しては、すべての人民が98年から掲げてきた強盛大国建設を具現するために奮闘していると報告。金日成主席の誕生90周年と朝鮮人民軍創建70周年を迎える今年、人民生活を決定的に向上させるために力を注ぐだろうと指摘した。 統一問題については6.15北南共同宣言を統一の里程標に掲げ、民族共助を実現するための全民族的な運動を進めていこうと呼びかける一方、総聯同胞故郷訪問団の事業を引き続き進めていくと述べた。 また、総聯の活動については21世紀同胞社会のビジョンを示した19全大会の決定を貫徹するために全力を尽くす姿勢を強調。現在の難局を乗り越え、活動を盛り上げる必要性を指摘しながら、同胞に愛され、支持される組織にするため「総聯のすべての活動を大きく変えていく」との決意を表明した。 切迫した課題として民族金融機関の再建と運営の正常化、朝鮮学校の生徒数増加をあげ、4月までこの問題に力を入れると表明している。 |