春・夏・秋・冬

 20日は大寒。1年で一番寒い時期の訪れだ。高地の多いアフガニスタンではその寒さは格別だろう。寒風吹きすさぶ中、子供たちは凍える手をこすりながら、それでも将来のために勉強に励む。裸足の子もいるというから胸が痛む。食糧も満足に供給されず、肺炎や結核などで死亡する子供も少なくない

▼アフガニスタン復興支援に向けた国際会議が21、22の両日、東京で開かれた。当事国であるアフガニスタンのカルザイ首相をはじめとする60カ国の代表、国連、世界銀行など20の国際機関が参加。難民帰還、地雷除去、医療、教育などについて話し合われた

▼その会議への出席を、直前になって拒否されたNGOがある。ジャパン・プラットフォーム(JPF)とその加盟団体であるピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の2団体。両団体の統括責任者の新聞に載った発言が代議士を怒らせたためという。そんな理由で出席を拒むなど、言語道断だ。ピースボートなどの市民団体が、「政府主導でNGOを選別するもの」「異なる考えを排除するのは民主主義の根幹にかかわる」との声明を発表したのも当然だろう

▼2団体はアフガン復興支援の中心的役割を担ってきたという。昨年末のアフガン復興NGO東京会議を主催したほどの団体だ。そんな、現状を熟知している団体を排除するのは、国際的にも理解されまい

▼そういった声に押されたかどうか、政府は2団体の会議参加を再び認めた。会議の結果が、寒さと飢えに苦しむアフガニスタンの人々を少しでも助けるものになれば幸いだ。(聖)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事