春・夏・秋・冬

 中国政府が米ボーイング社から購入した江沢民主席専用機に、盗聴器が仕掛けられていた事実が発覚した。試験飛行中に発見されたのだが、幸いにも、軽くいなした中国政府の対応によって事なきを得た。これが実際の飛行中の話だったら、大変な外交問題に発展していたかも知れない

▼2000年末、「21世紀は中国の世紀」と書いたのは英・エコノミスト誌だったが、米国の頭の中にもしっかりと、超大国として登場してくるであろう中国の存在(脅威)が叩き込まれていることを垣間見せた事件だった

▼米国は昨秋、国防戦略の見直しを行い、それを背景に今年初には核戦略の見直し計画の概要を発表した。世界の2つの地域での同時戦争の追求を1つに絞り、核兵器をよりコンパクト化して通常兵器との垣根を限りなく取り除き、核・通常兵器を融合していくという。これらの見直し作業が中国、そして朝鮮民主主義人民共和国など北東アジア地域を念頭に置いたものであることは、あえて強調する必要もないだろう

▼弱者が踏みつぶされ、強者だけが生き残りその論理だけが大手を振る社会、つまり民主主義とは対極に位置する、中世の専制国家への回帰である。(彦)

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