春・夏・秋・冬

 食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。日中、夏日(25度以上)になる日もまだあるが、今夏が異常な猛暑だっただけに、湿度が下がり安定し始めた今の心地よさは、気持ち的に何かホッとさせてくれる

▼日本を訪れる外国人がまず閉口するのは、湿度の高い、日本特有の気候だという話をよく耳にする。その特有の気候に悩まされている南から来て滞在が2年目の知り合いも、最近は元気を取り戻したようで、歩く後ろ姿が軽やかでさえある

▼この季節、多くの学校では運動会が開かれる。5月の連休を前後した頃に早々と終える学校もあるが、まだまだこの時期が主流のようだ。先週も都内のいくつかの朝鮮学校であった。釜山アジアオリンピック大会の「ワンコリア」の熱気に見るまでもなく、「統一時代」の主役として生きる今の子どもたち。その運動会で目を引いたのが白地にブルーの朝鮮半島地図を染め抜いた「統一旗」だったという。いうまでもなく、これまでは「朝鮮国旗」。「統一旗」とともに進行した運動会に、子どもたちや学父母は何を見たのだろうか

▼「統一旗」が初めて登場したのは80年代末、神戸で開かれたユニバーシアード大会だったと記憶している。それから10余年、祖国統一のシンボルとしてしっかりと根づいた

▼今アジア大会組織委員会指定の航空会社、大韓航空は、インターネットの宣伝掲示板に「統一旗」が空を飛ぶ情景を使っている。「北南民族大会」の印象すらあるだけに納得してしまうが、今後、同社のように、企業が宣伝用に使う機会はさらに増えそうだ。(彦)

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