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もっと「民族」を伝えたい

沈友美


 今年の夏は、8月に企画されていたサマースクールの動員に明け暮れる日々が続いた。朝青東京・中杉支部中野班委員たちによる週1回の動員だけでは追いつかないので、夏休みに入ってからは日中に時間があるトンムたちと分担して、一軒一軒地道に回った。

 私は愛知で日本の学校に通っていたので、毎年夏になると支部のオッパ、オンニたちが動員に来ていたことを思い出す。当時は、部活のキャプテンを務めていたこともあって、練習を休めず、サマースクールに参加したい気持ちはあったもののできなかった。今思えば、「無理してでも1度は参加すべきだった」と後悔することしきりだ。それでも1泊2日のオータムスクールや文化公演、ウリマル教室などの経験が糧となって、自身の朝鮮人としての自覚や誇りが芽生えた。

 20歳を目前に上京した折り、女性同盟に顔を出していたことから、支部の送年会や新年会などの行事にも声をかけられるようになった。同胞ということだけですぐに打ち解け、親しい人も大勢できた。今年の新年会では中野班委員に選ばれたが、「私なりに貢献できることがあれば頑張りたい」「委員として責任を持って支部の活動に参加したい」というのが気持ちだった。

 そうしたことからサマースクールの動員をするようになった。結果的に、自分の力だけでは参加者を増やすことはできなかった。学生たち本人の意思を確認する前に、親の方針で参加させないというのがほとんどだった。私自身が実際にサマースクールに参加できなかったので、それだけ説得力がなかったのかもしれない。それだけに民族にふれることの少ないトンムたちに民族についてもっと伝えていきたいという気持ちが増している。

 上京して収穫はいろいろあったが、何よりも支部と出会えたことが一番大きい。これからすべきことが何かを知ったからだ。(23、事務員)

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