李玉禮と仲間たち「ポジャギと人形展」

「心が癒される、風習、暮らしに民族の香り」

東京でも大盛況、320人が観覧


李玉禮さんと夫の李大煕さん
 「朝鮮半島のパヌジル」と題して、11と12の両日、東京渋谷区南平台の三木武夫記念館でポジャギ作家の「李玉禮と仲間たち」によるポジャギと人形展が開かれた。

 2日間の会期中には、女性同盟55周年のお祝い行事で各地の女性同盟のメンバーたちが東京滞在中ということもあり、320人が会場に足を運び、伝統美豊かなポジャギの世界を堪能した。

 李玉禮さん(75)は今春57年ぶりに故郷・全羅南道求礼郡の龍江里を訪ねた。昔の面影は何一つなかったが、「せめて故郷の思い出にと、古布の切れ端でもほしい」という玉禮さんの願いを義姉がかなえてくれた。それがこの日出品された「サムルノリ」。義姉が自宅の畑でできた綿花を自分で紡いで織った本綿の切れ端が使われている。

「農楽」

会場に多くの人が足を運んだ(三木武夫記念館)

 この日展示された作品は、18歳まで故郷で過ごした李さんの記憶の中に深く刻まれた故郷の暮らしが生き生きと表現された。「こま回し」「子守り」「伽ー琴」「民族楽器」「新郎新婦」など…。


「新郎新婦」
「麦打ち」
「民族楽器」

 北九州市から訪れた許末順さんは「作品全体に何とも懐かしい、温かい雰囲気が醸し出されていて、心がなごみます。特に人形の一つひとつの表情に、民族独特の個性が表現されていて引きつけられました。これら故郷の暮らしや時代が再現された作品を一堂に集めて展示できる常設館のようなものをみんなの力で作って、次世代に文化を継承していきたい」と感想を語っていた。

 また、和歌山からやってきた崔琴袖さんは作品をじっくり見て回りながら、「心が癒される。民族的な伝統、風習、暮らしの細々としたものが作品の中に生きていて、ジーンとくるものがあった。この懐かしさこそ民族の味なのだと思います。すばらしい世界を見せてくれた李さんたちに感謝します」と語っていた。

 この催しを主催した潟uライダル企画ノアナ京都代表の魚秀玉さんは「京都展に続いて、東京展も大盛況で本当にうれしい。『いいものはいい』ということを多くの人が分かってくれたのだと思う。同胞社会は世代交代の波を受けながら、民族性を受け継いでいかなければならない。そうした時に、伝統的なポジャギや人形を通して『ホンマモン』の民族の文化を提示できたのではないかと思います」と語っていた。(粉)

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