春・夏・秋・冬 |
「配給制度が開放されたので、カネさえあれば何でも買えるようになったが、物価は上がっている」「自由に物を売る屋台が市内のあちらこちらに設けられ、アイスクリームや果物、パン、ニワトリまで売られていた」。朝鮮の最近の暮らしぶりが伝えられている
▼周知のとおり、朝鮮では7月1日から物価と給料が一斉に引き上げられた。「実勢価格」にすることで国家の負担を少なくし、その代わりにそれに見合った生活費を与えようというわけだ ▼この措置が実施された当初から、力仕事に携わる人ほど給料の上昇率が高いと言われてきた。9月中旬にKBS交響楽団を率いて平壌を訪れた朴在圭元統一部長官も、「精神労働に携わる勤労者より肉体労働に携わる勤労者の方が優遇されているようだ」と話す ▼肉体労働と言えば、朝鮮ですぐ思い浮かぶのが炭鉱夫。これまでは重労働にもかかわらず、他の職種との賃金格差が少なかったことから、職場に出ずに市場で商売する人も少なくなかったという。だが、7月1日以降は23倍に跳ね上がり、3000〜6000ウォンを受け取るようになった ▼とくに、彼らの労働意欲をかきたてているのが「累進労給制」と言われる労働報酬制度。定量計画の70%を達成すれば基本給が支給され、それ以上は石炭を掘るごとに「累進生活費」が加算される。これによって、1カ月に6万ウォンを稼ぐ労働者もいるというから驚きだ ▼働いた分に見合った生活費を与えられれば、働く意欲がわくのは自然の摂理。それが生産向上につながっていけばまさに「好循環」だ。(聖) |