新しい分会の姿へ
総聯分会代表者大会2002
「総聯分会代表者大会―2002」が20日、東京・北区の東京朝鮮文化会館で開かれた。この日集まったのは関東、北海道・東北地方の代表。今後、近畿・東海(27日)、中四国・九州(11月3日)での開催が予定されている。朝鮮半島を取り巻く情勢、同胞社会を取り巻く環境が大きく変化する中での大会。同胞同士人間関係を築いていくうえでの分会の重要性、新しい分会の姿について語り合った。
関東・東北地方大会皮切りに 大会では、総聯東京都北支部十条分会の鄭泰奉分会長(55)、総聯神奈川県川崎支部中央浜町分会の郭州孝分会長(52)、女性同盟東京都足立支部北千住分会の金英姫分会長(42)の3人が司会進行役を務めた。1961年の開催以来41年間の歴史の中で、分会長が司会を務めたのは初めてだ。 大会では総聯中央の徐萬述議長が、「変化した在日同胞社会の要求に沿って新しい姿の総聯分会を作っていこう」と題して報告した。 徐議長は、総聯と在日同胞社会を取り巻く環境が複雑で難しい中でも、その生活単位に分会があったからこそ代を継いで民族性を守ってこられたと指摘しながら、分会がいかに重要であるかをあらためて強調した。 具体的には、▼世代交代にともない定住を前提に日本で生活の土台を構築しており、日本の社会環境と風潮は新世代同胞に民族性の希薄化、個人生活中心の価値観を生ませている▼経済不況と金融不安が同胞商工人に経営難をもたらし、同胞らはかつてない経済生活難を強いられている▼職業構成面でのサラリーマン化が進んでおり、同胞たちは少なからず生活を維持するのに大変―という状況下で、総聯組織、とくに分会が同胞の生活の保護者となり、不安を拭い生活を守るために尽力すべきだと述べた。 報告の中で語られた「新しい姿の分会」とは、@トンネ(村、地域)の各界各層の同胞が隣人として親しくつきあい家族のように過ごす分会A相互扶助の分会、同胞生活の安定とやりがいをもたらす保護者としての分会B愛族愛国の代を受け継いでいく分会―である。とくに、Bでは民族教育の重要性を指摘したうえで、「総聯が初中級学校を幅広い在日同胞民族学校に発展させていることを広く知らせる」べきだと語った。 大会では8人の代表が討論し、99年10月の大会以来3年間に模範となった分会、朝青班などの単位が表彰された。 2部では東京、北関東歌舞団、各地女性同盟サークルなどが出演した公演が披露された。 8人の討論(一般化すべき経験と方法論) 21世紀最初に開かれた分会代表者大会の討論では、今後の分会活動で一般化すべき経験と方法論=21世紀の分会像が示された。 まず、同胞らのニーズを把握するために地域同胞と会って話をすることだ。 また朝青埼玉・中部支部浦和班の金炯龍・委員は、地域を5カ所に分け、月3回、相手の都合に合わせて地域青年らと会っており、年間の接触数は延べ1045人に上ると語った。接触の拡大には、映画鑑賞サークルのメンバーの役割が大きい。また川辺の集いでは高級黒毛和牛を提供、好評を得ているという。 一方、日本人を含めて学校を支援する活動を拡大していると述べた西東京朝鮮第1初中級学校オモニ会の李順姫・前会長、青森での金剛山歌劇団の公演が「ねぶた祭」のように毎年行われている(1955年から2002年までの47年間に287回、約76万人観覧)と語った青森学父母会責任者、林香愛さんの討論でも、それらの成果の要因は、同胞らと会うことから生まれたと強調した。 次に、分会をトンネのように作るために、分会委員会を正常運営すること。 女性同盟神奈川・中北支部淵野辺分会の徐順子・分会長は、嫁、姑が一緒に集える会を運営する過程で、若いオモニたちが分会委員に育ったとし、今では彼女たちを中心に学校を支援する運動や、同胞高齢者を激励する集いなどが開かれると言及した。 女性同盟福島・中通支部郡山分会の鄭弘美・分会委員は、分会委員らが中心になって各種文化教室(コーラス、習字、陶器、メイクアップなど)を運営しているとし、同胞らを1カ所に1度に集めるのではなく、ニーズに合わせて無理なく集うことで、地域同胞らの過半数を越える180戸が教室、分会に網羅されるようになったと強調した。 全機関的に運動を展開していく必要性も提起された。 専従活動家である総聯東京・豊島支部大塚分会の金永浩・分会長(朝・日輸出入商社総務)は、1世が築き上げてきた分会の伝統の火を消してはならないと7年前から分会長の重責を担った。専門知識や人脈をフル活用し、同胞の要望に応える学習会や講演会を開くこともできると語った。 総聯東京・板橋支部の権永道委員長は、37人の総聯中央と中央団体・事業体の活動家の助けのもと、週2回の同胞訪問を実施していると指摘。近くひとつの分会を再建すれば、8つすべての分会が自力で歩いていけるとし、その過程で、同胞生活相談綜合センターの運営も軌道に乗り、分会長に相談すれば解決できるという噂も広まってきていると強調した。 |