春・夏・秋・冬

 20日に開かれた分会代表者大会。時期が時期だけに、参加者の思いもさまざまだったに違いない。そんな参加者たちがひと際大きな拍手を送ったのが、あるビデオを上映した時だ。午後の大会の冒頭に流されたその映像は、チョゴリを着た朝鮮学校生徒たちが歌い踊る場面を写し出していた。見慣れた光景なのだが、違っていたのは客席である

▼さる9月、分断史上初めて実現した「在日朝鮮学生少年芸術団」のソウル、全州公演。この日大会で流されたのは、その時の映像だ。統一への思い、民族への思いを踊りや歌で表現する子どもたちの姿に、真剣に見入る客席の人々は南の人たちなのである

▼映像を見ながら、民族教育のすばらしさをあらためて感じた人も少なくないだろう。言葉や文化を教え伝えてきたからこそ、現地の人々の前でも、堂々と公演することができたのだから。演じる生徒たちも、幼心に「民族はひとつ」であることを実感できたに違いない

▼祖国解放直後から在日同胞1世が力を入れてきたのが民族教育である。当初は「故郷に帰っても母国語を話せるようにする」のが目的であった。時が経ち、目的は変わっても、日本で民族性を守っていこうという伝統は受け継がれている。その背景には、文字どおり血を流しながら守ってきた1、2世たちのたたかいがあったことは言うまでもない

▼その歴史を、在日の子どもたちは見事に伝えた。だからこそ、南の人々は、その行為に涙し、敬意を表し、拍手を送るのだと思う。民族教育の火は絶対に絶やしてはいけないのである。(姫)

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