子どもへの暴力許せない
神奈川、大阪の教職員らがアピール
日本人拉致事件と関連して在日朝鮮人の生活を脅かす事件が頻発していることに対して、日本の市民団体が怒りの声を上げている。
神奈川県在日外国人(多民族・多文化共生)教育連絡協議会は20日に、「在日コリアンの子どもたちへの嫌がらせ、人権侵害への抗議と多文化共生社会を築くための緊急アピール」を発表した。アピールは、「拉致事件と在日コリアンの子どもたちはまったく無関係。事件に対してどれほどの怒りがあったとしても、その矛先が無防備な子どもたちに向けられることは許されない」と断じた。 朝・日首脳会談が行われた9月17日の夕方から、神奈川朝鮮初中高級学校(横浜市)には無言電話や嫌がらせの電話が鳴り続け、18日には通学途中の同校の女子児童が横浜駅でバスから下車する際、「この朝鮮の学生が」などとなじられ、足を蹴られた。 アピールは迫害の背景にはマスコミの影響があるとして、「ほとんどすべての報道機関が北朝鮮への批判一色で、植民地を含めた日朝関係史の報道はなされていない」と述べている。 7日には原田章弘・横須賀市議会議員と芹沢秀行・三浦半島地区教職員組合委員長が神奈川初中高と総聯神奈川県本部を訪れ、在日朝鮮人に対する迫害におびえる生徒や教職員、活動家たちを激励。組合メンバーのメッセージを綴った寄せ書きも贈った。 原田議員らは、「拉致事件には衝撃を受けたが、在日朝鮮人と朝鮮人児童、生徒への暴行、暴言は許すことができない」と話しながら、朝・日平壌宣言に沿って真の友好関係を築くために努力したいと決意を語った。 なお、東大阪市教職員組合は9月26日、「すべての子どもたちの人権を守ろう」との声明を発表。市内には東大阪朝鮮初級学校と大阪朝鮮高級学校があり、教職員らは朝鮮学校に学ぶ子どもの人権と安全を守る責務があるとしながら、引き続きすべての子どもたちの人権が守られる社会の実現をめざすとした。 |