相互理解これからも

市教組主催研究集会に明石初級児童、校長が参加


 明石市民会館で9日に行われた第52次明石市教育研究集会全大会(主催=明石市教職員組合、小林陽治委員長)に明石朝鮮初級学校の児童、校長が招待され、講演、芸術発表を行い交流を深めた。

 大会は明石市内の48小、中学校教師、職員ら500余人が参加し行われたもの。開催に際し、明石初級児童が群舞「朝・日親善の花が咲きました」、リコーダー演奏「希望の翼」を披露し、参加者の好評を博した。

 続いて李相臣校長が「民族教育の21世紀的課題〜国際化を迎えた明石朝鮮初級学校の現状と課題」と題し講演した。

 李校長は、情勢が激変するなか予定通り招待してくれたことに対し謝意を表するとしながら、在日朝鮮人の歴史と位置、民族教育の足跡と現状、6.15共同宣言と朝・日平壌宣言の歴史的意義とこれからの展望について述べた。また、真の朝・日友好を実現するためにも共通の歴史認識を持つことが重要だとしながら、今後も朝・日双方の教員が力を合わせ、いっそうの相互理解を深めていこうと呼びかけた。

 同日会場には、初、中級部の教科書や児童・生徒たちの習字、美術作品などが展示された。

 参加した日本人教員は、「朝鮮学校の存在を初めて知ったが、愛らしく豊かな子どもたちの表情に教育の原点を再認識した」「拉致問題は本当に重く悲しい事件だが、過去に日本が朝鮮にしたことを忘れて非難ばかりするのは間違いだ。新しい時代を生きていく子どもたちに『歴史のしこり』を残してはならない」などと感想を述べていた。

 同組合の藤原雅文書記長は「国家間の問題と子どもたちの問題は同一視できない。厳しい状況にもかかわらず応じてくれた朝鮮学校関係者に感謝している。これからもさらなる交流と相互理解に務めていきたい」と述べていた。【明石初級】

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