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「米国が公約を誠実に履行し、朝米関係改善の道に進むなら、米国民の利益にも合致する」(21日発平壌放送論説)、「米国が敵視政策を撤回する用意があるなら、対話を通じて安保上の憂慮を解消する準備ができている」(閣僚級会談南側代表と面談した金永南最高人民会議常任委委員長)、「米国が生き残る道は強権政策ではなく、和解と平和の道に進み出ることだ」(労働新聞22日付論説)
▼「北が核開発を認めていた」と米国が発表した後の朝鮮側の主張だ。「核開発」そのものについての言及は一切なく、その真偽についてあれこれ言う段階にはないが、一貫しているのは「対話で問題を解決しよう」との姿勢だ。それは北南閣僚級会談共同報道文に、「核問題などすべての問題を対話で解決する」との文言を入れたことでも明らかだ ▼米側は、朝鮮が「枠組み合意が無効と考えていると言明した」とも発表した。だが、平壌放送の論説を見ると、合意破棄か否か岐路に置かれている理由は軽水炉提供が大幅に遅れているためとしながら、枠組み合意の維持を強調している。朝鮮側がケリー特使に同様の主張をしたのは想像に難くない ▼米紙ワシントンポスト紙21日付は、両国関係を改善すべきとの認識に立っていたのが米朝合意であったにもかかわらず、ブッシュ政権登場後両国関係は悪化をたどり、北がエネルギー危機打開とみなす軽水炉建設も遅れたと指摘。「北朝鮮の言い分では、米側が合意を破ったことになる」との記事を掲載した ▼デリケートな問題だけに、冷静な分析が求められる。(聖) |