カヤグムサークルが盛んな山口の朝鮮学校で育った私が嫁いだ岡山でカヤグムを教えるとは考えてもみませんでした。

　しかし、カヤグムを手にするまでが一苦労でした。やっとの思いで探し出したカヤグムも、十数年前のものでした。一台一台辛抱強く修繕し、生き返らせた楽器をメンバーに渡した時は本当に喜びを感じました。

　資料を集めたり、プロの方からアドバイスを受けながらの出発。スタート時のメンバーは５人でしたが、若い女性も加わり、今では８人になりました。四国から瀬戸大橋を渡って来るメンバーもいます。

　はじめはドレミの弦がどこなのか。どの指でどう弾くのか。手取り足取りの状態でした。弦楽器は音が大事なのですが、音合わせに４０〜５０分かかったこともあります。それでも１年以上練習を続け、皆が重いカヤグムを持ち帰って個人練習にも励んだ結果、曲を弾けるまでになりました。

　この夏は女性同盟結成５５周年を祝う公演に向け、練習に熱が入りました。

　１０月６日の本番。私たちは「アリラン」の曲を見事演奏し、たくさんの人から「カヤグムの音色に癒された」との言葉をいただくことができました。

　これからもずっと、岡山にカヤグムの音色を響かせていく気持ちでメンバー一同、力を合わせて技術を高めていきたいと思っています。（講師・金福寿）

　問い合わせ＝女性同盟岡山県本部　TEL　086・224・0930