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 朝鮮はケリー米大統領特使に核開発を認めていた―米国側による一方的な発表の後、沈黙を守っていた朝鮮側であったが、25日になって態度を表明した。外務省スポークスマンの談話は、3つの点で注目される

▼第1は、「米国特使が何の根拠資料もなしに、われわれが核兵器製造を目的に濃縮ウラン計画を推進し、朝米基本合意文に違反していると言いがかりをつけた」とした点。「米側が朝鮮側に(核開発の)証拠をつきつけた」との話も伝えられたが、それについて正面から否定していることがうかがえる

▼第2に、不可侵条約の締結、協商による問題解決を提起した点。自主権と生存権に対する脅威を除いてくれるなら協商に応じるし、対話が進んで不可侵条約が結ばれれば、米国が朝鮮側に抱いている安保上の憂慮も解消されるとしている

▼3点目は次のくだりだ。「われわれは米大統領特使に、増大する米国の核圧殺脅威に対処し自主権と生存権を守るため、核兵器はもちろんそれ以上の物も持つことになるであろうことを明白に述べた」。これは朝鮮語の原文を直訳したもので、朝鮮語、日本語ともその意味に大差はない。問題は英文である

▼問題箇所の英訳は、「〜be entitled to possess…」となっている。「…所有する権利がある」あるいは「…所有する資格がある」という意味だ。朝鮮語の原文や日本語とはニュアンスが違うことがわかる。朝鮮側の公式の英訳文書でこうした表現が使われたということは、ケリー特使にも同じように話したと考えた方が自然なのでは。(姫)

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