春・夏・秋・冬

 東京で開かれた強制連行に関する交流集会は、来年神戸で全国集会を開くことを約束して幕を閉じた。神戸の交流集会は延期になったが、「朝・日フレンドシップIN神戸―歴史の真実を知ること、伝えることの尊さを学ぶつどい」と題して、留学同兵庫が主催した集いが開かれた。テーマは題名からも察せられるとおり、「過去の清算」問題。詳細は、本紙1日付に掲載された神戸大学4年生、河忠孝さんの投稿に詳しい

▼「歴史の清算にまったく目を向けようとしない状況があるのに対して何らかの声をあげていかなければならない」。河さんは集いを開くにいたった動機についてこう述べている

▼この集いで上映されたのとおそらく同じであろう、フォトジャーナリスト伊藤孝司さんのスライドを見た。朝鮮に住む強制連行被害者の姿が次々に写し出される。元「従軍慰安婦」のハルモニが自分の体に刻まれた刺青を見せるシーンがアップで出てきた時には思わず目を背けたくなった

▼まるでいたずら描きのような刺青が体のあちこちに刻まれている。ハルモニが60年以上にわたってその体で生きてきたことを思うと言葉もなかった。隣に座った女性もそれまで進めていた筆を止めてスライドにじっと見入っていた

▼フレンドシップの集いでは、朝鮮人と日本人が過去の歴史を知り、その真実をより多くの人に伝えていくことの大切さが確認されたという。未来を担う若い世代が互いを真に理解し合うために、このような集いを開くことの重要さを、河さんの投稿を読みながらあらためて感じた。(聖)

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